一様収束性とは? わかりやすく解説

一様収束

(一様収束性 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/02 15:21 UTC 版)

数学の一分野である解析学において、一様収束(いちようしゅうそく、: uniform convergence)とは、各点収束よりも強い収束英語版概念である。関数 (fn) が極限関数 f一様収束する (converge uniformly) とは、fn(x)f(x) へ収束する速さが x に依らないということである。

連続性リーマン可積分性といった性質は、一様収束極限には引き継がれるが、各点収束極限に引き継がれるとは限らない。これは一様収束の重要性を浮かび上がらせている。

定義

S集合とし、各自然数 n に対し fn : SR実数値関数とする。関数列 (fn)nN が極限 f: SR一様収束するとは、任意の ε > 0 に対し、ある自然数 N が存在して、すべての xS とすべての nN に対して |fn(x) − f(x)| < ε が成り立つことである。

一様ノルム

定理における一様収束の代わりに各点収束を仮定した強い主張に対する反例。連続な緑色の関数
この節の加筆が望まれています。 2019年7月

概一様収束

関数の定義域が測度空間 E であれば、関連概念である概一様収束 (almost uniform convergence) が定義できる。関数列 (fn)E 上概一様収束するとは、すべての δ > 0 に対して、測度が δ よりも小さい可測集合 Eδ が存在して、関数列 (fn)EEδ 上一様収束することである。言い換えれば、概一様収束は、補集合上関数列が一様収束になるようないくらでも小さい測度の集合が存在することを意味する。

列の概一様収束は、名前から誤って予想されるかもしれないが、列がほとんどいたるところ一様収束することを意味するわけではないことに注意する。

エゴロフの定理英語版は測度有限の空間上ほとんどいたるところ収束する英語版関数列は同じ集合上概一様収束もすることを保証する。

概一様収束ならばほとんどいたるところ収束英語版および測度収束である。

関連項目

脚注

  1. ^ Rudin, Walter. Principles of Mathematical Analysis Third edition. 1976. McGraw-Hill International editions.

参考文献

  • Konrad Knopp, Theory and Application of Infinite Series; Blackie and Son, London, 1954, reprinted by Dover Publications, ISBN 0-486-66165-2.
  • G. H. Hardy, Sir George Stokes and the concept of uniform convergence; Proceedings of the Cambridge Philosophical Society, 19, pp. 148–156 (1918)
  • Bourbaki; Elements of Mathematics: General Topology. Chapters 5–10 (Paperback); ISBN 0-387-19374-X
  • Walter Rudin, Principles of Mathematical Analysis, 3rd ed., McGraw–Hill, 1976.
  • Gerald Folland, Real Analysis: Modern Techniques and Their Applications, Second Edition, John Wiley & Sons, Inc., 1999, ISBN 0-471-31716-0.
  • William Wade, An Introduction to Analysis , 3rd ed., Pearson, 2005

外部リンク


一様収束性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/08 06:02 UTC 版)

一般ディリクレ級数」の記事における「一様収束性」の解説

一般ディリクレ級数を f ( s ) = ∑ n = 1a n e − λ n s {\displaystyle f(s)=\sum _{n=1}^{\infty }a_{n}e^{-\lambda _{n}s}} として、s を変数とする関数とみなすと、 f ( s ) {\displaystyle f(s)} の一様収束性が問題となる。 一般ディリクレ級数の一様収束性について、収束軸 σ c {\displaystyle \scriptstyle \sigma _{c}} および絶対収束軸 σ a {\displaystyle \scriptstyle \sigma _{a}} が有限の値であるならば、このとき、 σ c ≤ σ u ≤ σ a {\displaystyle \sigma _{c}\leq \sigma _{u}\leq \sigma _{a}} を満たす実数 σ u {\displaystyle \scriptstyle \sigma _{u}} が存在してRe ⁡   s > σ u {\displaystyle \scriptstyle \operatorname {Re} \ s>\sigma _{u}} を満たす複素数 s に対して、 f ( s ) {\displaystyle f(s)} は一様収束するが、 Re ⁡   s < σ u {\displaystyle \scriptstyle \operatorname {Re} \ s<\sigma _{u}} を満たす複素数 s に対して、 f ( s ) {\displaystyle f(s)} は一様収束しない。 この σ u {\displaystyle \scriptstyle \sigma _{u}} を、一様収束軸 (line of uniform convergence)または一様収束座標 (abscissa of uniform convergence)という。一様収束軸について、一般ディリクレ級数すべての点で一様収束するときは − ∞ {\displaystyle \scriptstyle -\infty } 、常に一様収束ない場合は + ∞ {\displaystyle \scriptstyle +\infty } と定める。 一様収束軸の値は、収束軸絶対収束軸とは異な方法求められるディリクレ級数n = 1a n e − λ n s {\displaystyle \sum _{n=1}^{\infty }a_{n}e^{-\lambda _{n}s}} の一様収束軸 σ u {\displaystyle \scriptstyle \sigma _{u}} の値は、以下の様に求められる。 σ u = limsup x → ∞ logT x log ⁡ x {\displaystyle \sigma _{u}=\limsup _{x\to \infty }{\frac {\log T_{x}}{\log x}}} 。 ここで、 T x = sup − ∞ < y < ∞ | ∑ [ x ] ≤ λ n < x a n e − i λ n y | {\displaystyle T_{x}=\!\!\!\!\sup _{-\infty <y<\infty }\left|\sum _{[x]\leq \lambda _{n}<x}\!\!\!a_{n}e^{-i\lambda _{n}y}\right|} 。

※この「一様収束性」の解説は、「一般ディリクレ級数」の解説の一部です。
「一様収束性」を含む「一般ディリクレ級数」の記事については、「一般ディリクレ級数」の概要を参照ください。

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