ヴォルムスの薔薇園
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『ヴォルムスのバラ園』(Rosengarten zu Worms)は、13世紀に成立した中高ドイツ語で書かれた騎士道物語の叙事詩。この物語はディートリッヒ・フォン・ベルンの物語群に属する人物と、『ニーベルンゲンの歌』に登場する人物を結びつけている。
概要
クリエムヒルトの父ギューキ王は、ヴォルムスに薔薇園を所有していた。そのギューキ王は、薔薇園にいる12人の戦士を打ち負かせるものがいるか、と挑発する。ディートリッヒ・フォン・ベルンとフン族の王エッツエルは、共同してギューキ王の挑戦を受け入れることにした。この戦いで、ディートリッヒは薔薇園を守護していたシグルズに勝利している。なお、12の戦いのうち1つを除いてすべて、ディートリッヒ側の陣営が薔薇園側に勝利している。そのため、最終的にギューキ王はディートリッヒとエッツエルを認めざるを得なくなり、勝利したディートリッヒ側には名誉とともに花輪とキスが与えられた。
外部リンク
- 『ヴォルムスの薔薇園』の裏切り者ヴィテゲ : ディートリヒ歴史叙事詩との関連から 渡邊徳明
- ニーベルンゲン伝説の人々 無限空間2号館
ヴォルムスのバラ園
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「ジークフリート」の記事における「ヴォルムスのバラ園」の解説
『ヴォルムスのバラ園』(1250年頃)では、ジークフリートはクリームヒルトと婚約しており、ヴォルムスのバラ園を守る12勇士の一人となっている。クリームヒルトは、ジークフリートの勇気を試すべく英雄ディートリヒ・フォン・ベルンと戦わせようと考え、ディートリヒとその配下12人を招いて自身の12勇士と決闘させた。決闘が始まろうというとき、ディートリヒは最初、無敵の皮膚を持つジークフリートとの戦いを拒否する。ディートリヒは、師ヒルデブラントが死んだという虚報を聞くや激高して戦う気になり、その怒りの炎でジークフリートの皮膚を焼いた。こうしてジークフリートの守りを破ったディートリヒはジークフリートを剣で貫く。ジークフリートは恐れをなして、クリームヒルトの膝下へ逃げ帰る。死んだはずのヒルデブラントが再び姿を表したので、ディートリヒはすんでのところでジークフリートを殺さなかった。 『ニーベルンゲンの歌』ではジークフリートとクリームヒルトは正式には婚約しておらず、婚約者とする『バラ園』での描写と一致しない。『バラ園』は『ニーベルンゲンの歌』に大いに依拠しているものの、クリームヒルトの父親が『ニーベルンゲンの歌』でのダンクラートでなくギービッヒとなっていることなどの細部の違いを見ると、『歌』にない古い伝承を一部含んでいることが分かる。こういった細部には『シズレクのサガ』と一致しているものがある。『バラ園』A写本では、ジークフリートはエッケリヒという鍛冶に育てられたということになっている。
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