ヴィラ=ロボス
ブラジルを代表する作曲家であり、ブラジル音楽教育にも大きな改革をもたらした一人。音楽愛好家であった父のもと、幼少よりチェロやヴィオラに親しんでいて、独学で様々な楽器の演奏、作曲を試みていた。様々な種類の演奏活動を通して次第に彼が関心を持ったのは、生き生きとしたブラジル民衆音楽「ショーロ」であり、見事に吸収して自身の作品「ショーロ」を作曲した(1920年代に第1番から第13番まで)。さらにブラジル独自の音楽を追求し、20代のときにアマゾン奥地を含むブラジル全土を旅し、各地の伝承音楽に触れる。作曲家として本格的に活動し始めると、パリなどヨーロッパやアメリカ合衆国を訪れ、音楽家との交流などから国際的に活動の幅を広げていった。こういったヴィラ・ロボスと欧米のつながりはそのままブラジルとヨーロッパの関わりに置き換えることもできる。文化的にはヨーロッパのモダニズム潮流がブラジル押し寄せ、政治的にはヨーロッパとの関係を正面から確立しなければならない時期であった。
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