ヴァイオリン属の楽器の弱音器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 07:03 UTC 版)
「弱音器」の記事における「ヴァイオリン属の楽器の弱音器」の解説
ヴァイオリン属の楽器の弱音器は、駒に取り付けられる。用途によって2つのものがある。 弱音器(ミュート、ソルディーノ) 作曲者の指示により装着する。これを取り付けると駒の振動が吸収され、音が弱まり音色が和らぐ。ただし、絶対的な音量を落とすよりも音色上の要求により指定されることが多い。木製、ゴム製、金属製などがあり、形も様々であるが、音楽的にそれらの種類を使い分けることはなく、演奏者の好みや付け外しの便によって選ばれる。弱音器の装着を最初に楽譜指定したのは、リュリ(1632-1687)のオペラ「アルミード」(1686年)あるいは「アムールの勝利」(1681年)といわれている。バルトークの弦楽四重奏曲第4番第2楽章は「コン・ソルディーノ」と記され、全編にわたって弱音器付きで演奏される。独奏楽器が弱音器を装着する曲はあまりないが、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲第2楽章「カンツォネッタ」や、「ツィゴイネルワイゼン」の中間部などが有名である。 消音器 練習用に、楽器の響きを押さえ音量を落とすために用いる器具は消音器またはプラクティスミュートと呼ばれ、演奏に用いる弱音器とは通常別物である。金属製、または駒の上辺をおおう大きなゴム製のものなどがある。音量を落とす目的は深夜の練習の際など周辺に配慮するためが多いが、ユーディ・メニューインは消音器を付けた練習を「演奏を肌で感じ、音の性格に精神を集中させることができる」効用があると推奨していた。
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