ロバート・ブーンの日記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 04:29 UTC 版)
「呪われた村」の記事における「ロバート・ブーンの日記」の解説
日付は1789年6月1日から10月27日まで。最後の日付は、全住民失踪事件の4日前である。 1710年にジェルサレムズ・ロットが作られる。彼らはピューリタン信仰を持つ少数派グループであったが、中心人物はジェイムズ・ブーンという狂信者であった。ジェイムズは教義を主張しつつ、多くの婦人と性的関係を交わす。すなわちジェルサレムズ・ロットとは、狂牧師ジェイムズが支配する、近親相姦的な宗教共同体であった。 ロバート・ブーンは、ジェルサレムズ・ロットを離れた一人が、父ケネスに連なるのだと推測する。ケネスは血と町の狂気から逃れたにもかかわらず、息子たちは無自覚にも、呪われた村のすぐそばに邸を建ててしまったのである。ロバートには、目に見えない巨大な力が働いているとしか思えなかった。 ロバートは、1789年8月4日に、ジェイムズ・ブーンに出会う。彼と同姓の老ジェイムズ・ブーンは、弟フィリップが病的なほど惹かれている人物であったが、ロバートは嫌悪を覚える。老ジェイムズはかなりの高齢であったが、奇妙な魔力を振りまき、女たちに取り囲まれていた。ロバートは案内されてジェルサレムズ・ロットを訪れるも、老人とそっくりの容姿の者ばかりがおり、近親者同士の結婚が行われていることを隠そうともしない。しかしフィリップはこの怪人物に魅了され、あろうことか彼の教会に改宗し、人格は豹変して、見下げはてたあいつにどんどん似てくる。そしてフィリップは、長老が「うじ虫の神秘」という本を探していたと言う。ロバートは弟を喜ばせてやろうと、友人の出版社に問い合わせ、本を手に入れるとフィリップは大喜びでブーンのもとに行く。ロバートは園芸の本か何かとばかり思っていたが、調達してくれた友人は二度と取引したくないとまで言い、またフィリップの異様な興奮ぶりに、遅まきながら怪訝さを察する。 日記には記されていないが、10月31日に何かが起こり、フィリップとジェルサレムズ・ロットの住人全員が姿を消す。ジェイムズが異次元から「うじ虫」を召喚したことが示唆される。
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