ロシアの二島譲渡論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 17:51 UTC 版)
なおロシア側における二島「譲渡」論(二島返還論ではないことに注意)とは、主に歯舞・色丹の譲渡のみでこの問題を幕引きさせようとする案のことであり、現在のロシア政府の公式見解である。いずれにせよ、ソビエト時代を含め、ロシア側は首尾一貫して返還ではなく「譲渡」であるとする立場を崩していない。これは、ロシア側が、日ソ中立条約の破棄を条約違反ではなく「正当な解消」であるとする立場を貫いているためであり、そこには「北方領土の占領と編入は第二次世界大戦の成果として当然、認められるべきだ」とする含みがある。一見荒唐無稽とも取れるロシアの主張だが、ヤルタ会談における極東密約(ヤルタ協定)により、アメリカの大統領とイギリスの首相が日ソ中立条約の破棄および北方領土の領有に対して正当性を担保しているので、ソ連の対日参戦が不法な宣戦布告であると簡単には一蹴できない点に留意されたい。
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