レーティングから算出される勝利確率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 06:27 UTC 版)
「イロレーティング」の記事における「レーティングから算出される勝利確率」の解説
ここで、勝敗比は積によって推移するという重要な仮定を置く。すなわち、3人のプレイヤー X , Y , Z {\displaystyle X,Y,Z} について、イロレーティングでは、 W X Z W Z X = W X Y W Y X × W Y Z W Z Y {\displaystyle {\frac {W_{XZ}}{W_{ZX}}}={\frac {W_{XY}}{W_{YX}}}\times {\frac {W_{YZ}}{W_{ZY}}}} という関係が満たされることを前提とする。例えば X {\displaystyle X} が Y {\displaystyle Y} に対して平均して2勝1敗のペース(勝率約67%)、 Y {\displaystyle Y} が Z {\displaystyle Z} に対して平均して3勝1敗のペース(勝率75%)だとすれば、 2 × 3 = 6 {\displaystyle 2\times 3=6} なので、 X {\displaystyle X} は Z {\displaystyle Z} に対して平均して6勝1敗のペース(勝率約86%)となることが必要である。このような関係が満たされない競技では、イロレーティングで適切に実力を評価することができない(格上ばかりと対戦するプレイヤーと格下ばかりと対戦するプレイヤーを比べると、同じ強さでもレーティングが異なった値になってしまう)。 このような仮定を置くことで、任意のプレイヤー A , B {\displaystyle A,B} の対戦において、平均的プレイヤーを α {\displaystyle \alpha } として、 W A B W B A = W A α W α A × W α B W B α = 10 ( R A − 1500 ) / 400 10 ( R B − 1500 ) / 400 = 10 ( R A − R B ) / 400 {\displaystyle {\frac {W_{AB}}{W_{BA}}}={\frac {W_{A\alpha }}{W_{\alpha A}}}\times {\frac {W_{\alpha B}}{W_{B\alpha }}}={\frac {10^{(R_{A}-1500)/400}}{10^{(R_{B}-1500)/400}}}=10^{(R_{A}-R_{B})/400}} という関係を導出することができる。ここで、 W A B + W B A = 1 {\displaystyle W_{AB}+W_{BA}=1} であることから、 W A B = 1 10 ( R B − R A ) / 400 + 1 {\displaystyle W_{AB}={\frac {1}{10^{(R_{B}-R_{A})/400}+1}}} となり、レーティング差から勝利確率が得られることになる。 このようにして計算される勝利確率は以下の常識にかなう特徴を満たす。 勝利確率は、常に0%から100%の間に収まる。 レーティングが等しいプレイヤー同士の対戦では、勝利確率は50%となる。 レーティング差の絶対値が大きくなるほど、上位者の勝利確率が高くなる。 レーティング差がプラスの無限大に近づけば、勝利確率は100%に漸近し、レーティング差がマイナスの無限大に近づけば、勝利確率は0%に漸近する(レーティング差を横軸に、勝利確率を縦軸に取れば、ロジスティック曲線を描く)。
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