ルルドと文学者たち
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「ベルナデッタ・スビルー」の記事における「ルルドと文学者たち」の解説
エミール・ゾラ 無神論の自然主義的立場から、『ルルドへの旅』(1894)で巡礼者を観察し、聖母の出現を「詐欺とはいわないが幻覚」 であると中傷したが、著名作家の意図とは裏腹にルルドへの訪問者を増加させた。 ジョリス=カルル・ユイスマンス 当初はゾラ的な自然主義から出発したが、後に回心。『ルルドの群衆』(1906) のなかで、「一度ルルドに来ると、人は病むわが身を忘れ、自分より重い病人が自分のかわりに癒される恵みを願うようになる」 と、ルルドの信仰を擁護した。 三木露風 童謡「赤とんぼ」の作詞者として知られ、北原白秋とともに「白露時代」を築いた象徴派詩人。北海道北斗市のトラピスト修道院で洗礼。カトリック小田原教会のマトン師の求めに応じてその著書『ルルドの姫君』に序文を寄せる。 フランシス・ジャム 尾崎喜八や堀口大学らによって積極的に紹介された、フランスの抒情詩人。ベルナデットと同じくオート=ピレネー県の出身。「聖ベルナデット・スビルーへの連祷」 によって、ベルナデットを讃える。 フランソワ・モーリヤック フランスの小説家。1952年、ノーベル文学賞受賞。小説『ルルドへの巡礼者たち』(1931)のなかで、「この巡礼地は、誰もが自分の運命を直視せざるを得ない場所なのだ」 と述べ、ルルドの信仰の意義を考察した。 ポール・クローデル フランスの詩人・外交官。大正時代の駐日フランス全権大使。1954年に発表された著作『マリア』 のなかで、ルルドにおける聖母の出現の意味を考察する。 フランツ・ヴェルフェル オーストリア生まれで米国に亡命したユダヤ系作家。南仏を通過した際にルルドに立ち寄りベルナデットのことを知り感銘を受ける。アメリカに着くとその生涯を『ベルナデットの歌』(1941) に描き、その英訳本を原本としたヘンリー・キング監督の同名映画によって、ベルナデットとルルドが世界的に有名になった。
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