ヨーシュ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/05 15:53 UTC 版)
地上型が 9K37M1-2 「ブークM1-2」に発展するのに伴って、これに対応する3K37 「ヨーシュ」が開発された。ミサイルは新型の9M317を使用し、射撃指揮装置なども強化することで、性能を全般的に強化しており、 NTU改修を受けたターター-D・システムにほぼ匹敵する。また、ソビエト連邦の崩壊後に武器輸出が活発化したことを受けて積極的に輸出されている。輸出型は「シュチーリ-1(ロシア語版)」(«Штиль-1»)と呼称され、使用するミサイルは9M38M2である。 9M317ミサイルは西側では SA-N-12 グリズリー(Grizzly)と呼称されており、中間誘導に慣性誘導を導入していることから、西側のSM-2MRと対比されることが多い。射程も50 kmに延伸されている。 また、22350型フリゲートの初期計画で搭載される予定だったバージョンは、各サブシステムが全面的に更新されている。ミサイル本体はVLS用に主翼を小型化した改良型の9M317M(輸出型は 9M317ME)や、アクティブ・レーダー・ホーミング仕様の9M317A(輸出型は 9M317MAE)を使用し、発射機としては 3S90E.1 (3С90Э.1)VLSを使用する。これは、従来のロシア製回転式とは異なり、西側のMk.41に近い箱型の設計で、36セルで1ユニット(最小基本単位は12セル)となっている。これは、従来の単装発射機である3S90(装弾数24発)と互換性のあるインターフェースを使用しており、3K90や3K37搭載艦への艦対空ミサイルシステムの換装による搭載も可能である。この換装により、同じ搭載空間でミサイルの装弾数は1.5倍に増える。また、最大の変化として、AN/SPY-1に似たフェーズド・アレイ・タイプの多機能レーダーによる射撃指揮が可能になったことがあげられる。ただし、従来の3R90射撃指揮装置による管制も可能である。しかし後に22350型フリゲートの艦対空ミサイルシステムは、S-400の艦載版である3K96 リドゥートに計画変更されている。
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