ヨードメタン
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 11:50 UTC 版)
ヨードメタン | |
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ヨードメタン |
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別称
ヨウ化メチル, モノヨードメタン, MeI, ハロン10001, UN 2644
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 74-88-4 ![]() |
PubChem | 6328 |
EC番号 | 200-819-5 |
KEGG | C18448 |
RTECS番号 | PA9450000 |
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特性 | |
化学式 | CH3I |
モル質量 | 141.94 g/mol |
外観 | 刺激臭を持つ無色透明の液体 |
密度 | 2.2789 g/cm3 (20 °C) |
融点 | -66.45 °C (206.70 K) |
沸点 | 42.43 °C (315.58 K) |
水への溶解度 | 1.4 g/100 mL (20 °C) |
log POW | 1.51 |
蒸気圧 | 50 kPa at 20 °C 53.32 at 25.3 °C 166.1 kPa at 55 °C |
屈折率 (nD) | 1.531 |
構造 | |
分子の形 | Tetrahedral |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | MSDS at Oxford University |
EU分類 | 毒性(T), 発癌性 |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R21, R23/25, R37/38, R40 |
Sフレーズ | (S1/2), S36/37, S38, S45 |
爆発限界 | 8.5 - 66% |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ヨードメタン(英: iodomethane)は、分子式 CH3I で表される有機化合物である。別名、ヨウ化メチル(英: Methyl Iodide)ともいう。常温で無色透明の液体で、エタノール、ジエチルエーテルに任意の割合で溶ける。空気中で一部が光により分解し薄い紫色を帯びることがあるため、褐色ビンを用いて暗所保存する。その際には銅を安定化剤として用いる場合がある。有機合成化学においてはメチル化剤として良く用いられ、SN2反応によりメチル基を付加することが多い。毒性が高い。
性質
SN2反応でメチル化剤として非常に良く用いられる反応試薬である。例として、フェノールやカルボン酸のメチル化が挙げられる。
この2つの例では塩基(炭酸カリウムや炭酸リチウム)がプロトンを捕捉しアニオンを生成させることで、SN2反応における求核剤を供給している。
HSAB則に従うと、ヨウ素は「ソフト」な脱離基であるため、最終生成物は「ソフト」な求核剤と結合したものであることが多い。例えばチオシアネートイオン(SCN−) は「ハード」な窒素Nと「ソフト」の硫黄Sを併せ持つが、このチオシアネートとヨードメタンとを反応させると、メチルチオシアナート (CH3SCN) が主生成物となり、メチルイソチオシアナート (CH3NCS) が副生成物となる。HSAB則はエノラート(1,3-ジカルボニル化合物の誘導体など)をメチル化させる際には重要となる。エノラートをヨードメタンでメチル化させる際には、「ハード」な酸素よりも「ソフト」な炭素を好んで攻撃するということになる。即ちヨードメタンを用いると、他の原子のメチル化より炭素のメチル化が優先して進行しやすいという傾向がある。
またグリニャール試薬であるMeMgIの前駆体となる。モンサント法ではヨードメタンがロジウム錯体と反応し、ヨウ化アセチルを生成する。
製法
赤リンとメタノールの混合物にヨウ素を反応させると、発熱反応によりヨードメタンが生成する。これはヨウ化剤である三ヨウ化リンがin situで生成するためである。
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