ユーフォニアムと音域が近い楽器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 10:04 UTC 版)
「ユーフォニアム」の記事における「ユーフォニアムと音域が近い楽器」の解説
バリトン(フランス、イギリス)(英: baritone、仏: baryton) サクソルン属のバリトン。フランスやイギリスで、ピストン・バルブを備えていて細身のB♭管の楽器を「バリトン」(baritone)と呼ぶ。同じサクソルン属のバスや、一般に使われるユーフォニアムよりもずっと管が細く、現在はフランスのファンファールや英国式金管バンド(ブラスバンド)で使用されている。アメリカン・バリトンホーンとはまったく別の楽器である。 テノールホルン(ドイツ、オーストリア)(独: Tenorhorn) ドイツや中欧・東欧では、ロータリー・バルブを備えていて、ユーフォニアムよりもやや管の細いB♭管の楽器を「テノールホルン」(Tenorhorn)と呼ぶ。もともとはトランペット型でテノール音域の楽器だったが、次第にトランペット型から、卵形やチューバ型に移行したようである。別掲のドイツの「ドイツ式バリトン」や「カイゼルバリトン」と同じ外観だが、これらに比べてベルの直径は小さく、管の内径は細めである。便宜上、イギリスのバリトン(baritone)と同じ種類の楽器と見なされる場合が多いが、テノールホルンの管はイギリスのバリトンよりももっと太く、その役割はむしろユーフォニアムに近い。マーラーの交響曲第7番「夜の歌」にはテノールホルンのパートがあり、冒頭から荘厳なソロを奏でる。 なお、イギリスで「テナーホルン(テナーホーン)」と呼ばれる楽器は、日本やアメリカではアルトホルンと呼ばれ、4度高いサクソルン属のE♭管の楽器である。両者は英語圏においても時折混同されることがあるため、「in B♭」「in E♭」と調を付け加えるなどして区別されることもある。 フリコルノ・テノーレ(イタリア)(伊: flicorno tenore) 英国でバリトンと呼ばれるピストン式の楽器、またドイツでテノールホルンと呼ばれるロータリー式の楽器の、イタリアでの名称。時代や地域によって、ピストン式、ロータリー式、トランペット型、チューバ型など、さまざまな楽器が製作され、用いられてきた。なお、楽器自体はB♭管であるが、マウスパイプのレシーバーはE♭管のアルトホルンと同じ内径である。レスピーギの「ローマの松」では、フリコルノ・バッソ(ドイツでバリトンと呼ばれる楽器に相当)とともにブッキーナ(バンダ)としてこの楽器の指定がある。
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