モン系住民
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/07 02:00 UTC 版)
「ウォーソー (ウィスコンシン州)」の記事における「モン系住民」の解説
ウィスコンシン州自体がカリフォルニア州およびミネソタ州に次ぐ全米第3のモン系アメリカ人集住州であるが、中でもウォーソーは州内でも、そして全米でも有数のモン系アメリカ人集住地である。2010年の国勢調査では、ウォーソー市内のモン系住民は3,783人を数えた。これは州内ではミルウォーキーに次ぐ数字であり、また市の総人口の9.67%を占める。ウォーソー都市圏には5,927人のモン系住民を抱えており、これは州内ではやはりミルウォーキー都市圏に次ぎ、全米でも第8位という規模である。 前述の通り、モン系住民はベトナム戦争およびラオス内戦において、アメリカ合衆国側について戦い、敗戦後にそれまでの居住地からアメリカ合衆国に移入してきた少数民族モン族の難民、およびその子孫である。しかし、モン族が英語やアメリカ合衆国の文化に馴染むことは容易ではなく、モン系1世の大多数は低賃金での工場労働に従事している。英語能力や職務能力の低さから就労の機会にも恵まれないため、モン系住民への社会福祉費は高騰を続けており、また教育機関等での特別支援にもコストがかかっている。一方、ウォーソーで生まれ育った2世以降のモン系住民は、高校を卒業すると、奨学金を手にしてウィスコンシン大学マディソン校をはじめとする市外の大学へ進学したり、より就労機会に恵まれたシカゴ、ミルウォーキー、ミネアポリス・セントポールといった大都市へ流出したりして、ウォーソーを離れてしまうため、世代間の断絶や、それまでにかけたコストの割にはウォーソーの地域経済には寄与しないという問題もある。一方で、モン語は20世紀中盤に至るまで文字を持たず、口承であったため、アメリカ合衆国において伝承のしようがなく、英語で教育を受け生活する間に、モン族固有の言語や文化が失われてしまう危惧も、モン系住民の中にはある。
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