メディア・リテラシーの原点とは? わかりやすく解説

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メディア・リテラシーの原点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 04:52 UTC 版)

メディア・リテラシー」の記事における「メディア・リテラシーの原点」の解説

今日メディア・リテラシー理論にもっとも大きな影響もたらしたのはマスターマンの『Teaching the Media』(日本語訳メディア教える』世界思想社) である。マスターマンの理論イギリスのみならずカナダAMLアメリカCMLおよびNAMLEによって北米メディア・リテラシー教育運動大きな影響もたらした。これらの組織ユネスコによるMILメディア情報リテラシープログラム中心的位置占めており、マスターマンの理論今日グローバルなメディア・リテラシー教育運動の土台となっている。 彼のメディア・リテラシー思想土台として、まず第一にF・R・リーヴィスとデニス・トムソンらの文芸批評論があげられる。マスターマンは、彼らの『文化環境』(1933) の出版イギリスにおけるメディア教育始まりだったと述べている(マスターマン邦訳前掲、p.53)。しかし、彼らの立場新たなメディアもたらす大衆文化から伝統的文化を守ることであった。 マスターマンは、彼らの伝統的なメディア教育論に対してロラン・バルト記号論スチュアート・ホールらのカルチュラル・スタディーズアントニオ・グラムシヘゲモニー論やパウロ・フレイレ批判的リテラシー論・解放教育学をもとに、新しメディア教育学構想したその理論構成は、ほぼ同時期に構築されたヘンリー・ジルーの批判的教育学からの影響を見ることができる。実際、カナダ・トロント市にあるAMLメディア・リテラシー協会)は、マスターマンの理論のみならず批判的教育学英語版)の理論からも影響受けたといわれている。 このようにして構築されたマスターマンの理論によればメディア・リテラシーのもっとも重要な原則は、「メディア能動的に読み解かれるべき象徴的(あるいは記号の)システムであり、外在的現実の確実で自明な反映などではない」という点にある。そして、メディア・テクストを批判的に読み解くこととは、「単に送り出されメッセージ内容だけでなく、それがどのように構成されどのような効果生み出しているかに注意を向けること」であり、その教育の目的は「批判的主体」を育てることであった。これがメディア・リテラシーにおける批判的思考原点である。

※この「メディア・リテラシーの原点」の解説は、「メディア・リテラシー」の解説の一部です。
「メディア・リテラシーの原点」を含む「メディア・リテラシー」の記事については、「メディア・リテラシー」の概要を参照ください。

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