マルチ資材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/06 15:06 UTC 版)
タイのイーサーンでは、農業用のマルチ資材として牛糞が最もよく用いられる。同地ではブラーマン種(英語版)や在来種が粗飼料のみを食べて放牧されているため、牛糞は風乾した状態で簡単にパウダー状になる。果菜類の栽培に使う場合は、株の周囲に直径20cmほどの窪みを形成し、約400mlの牛糞をきっちりと敷き詰める。これによって肥効が得られるとともに土壌の保水性が向上する、と現地の農家は考えている。 スイカやキュウリなどウリ科の作物には牛糞マルチは行わないが、トウガラシやトマトなどのナス科およびマメ科の作物には牛糞マルチを施す。これは、牛糞から溶出する成分がウリ科の植物に根腐れを起こす事などが経験的に知られているためである。牛糞の肥料効果については、このような短期間に水に溶出する成分と、長期間にわたって分解される成分の2種類があると考えられる。前者は主にカリウムであり、窒素やリンは少量のため影響はほとんどない。また、厚さ1cmの牛糞マルチは水の蒸発速度を5分の1に抑制する効果があり、本来は毎日行う灌水が5日に1回で済むようになる。蒸発速度は牛糞層の厚みの平方根に反比例し、4cmでは灌水が10日に1回で足りるようになる。
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