マタニティマークと優先席の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 01:15 UTC 版)
「マタニティマーク」の記事における「マタニティマークと優先席の歴史」の解説
「優先席#日本」も参照 日本の公共交通機関における優先席制度は、1973年(昭和48年)に日本国有鉄道で始まった「シルバーシート」が最初であるが、これにならって導入した私鉄や公営交通も含め、当初は高齢者および身体障害者の優先席として運用されていた。 その後1990年代に入ると、「シルバーシート」の名称は高齢者専用の優先席であるかのような印象を与えると指摘されるとともに、ヨーロッパでは公共交通機関の優先席について、高齢者に限定することはなく、優先席には高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児同伴者などのピクトグラムが掲示されている事例が紹介された。JR東日本は1997年(平成9年)にシルバーシートを「優先席」に改称するとともに、対象者として高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児同伴者などを明示し、それに合わせたピクトグラムの掲示を実施した。これに追随する形で他の多くの交通事業者も優先席の運用方法を改め、公共交通機関における妊産婦への配慮が一般化した。 しかし妊娠初期は外見上で妊産婦であることがわかりにくく、周囲の理解を得られにくいという声が上がり、1999年(平成11年)にフリーライターの村松純子が妊娠初期に妊産婦であることを示すためのマークとして「BABY in ME」を発表した。公式サイトによれば「日本発・世界初のマタニティマーク」とされている。 これを契機として、妊娠初期の妊産婦に対する配慮の必要性が知られることとなり、地方自治体や民間団体などによってさまざまなマタニティマークが作成されることとなった。その一方で、取組みを行う地域・団体によって異なるデザインのマタニティマークが存在し、全国的な認知度が上がらないため、統一したデザインの策定を求める声が上がるようになり、2006年(平成18年)に厚生労働省によるマタニティマークが制定されるに至った。
※この「マタニティマークと優先席の歴史」の解説は、「マタニティマーク」の解説の一部です。
「マタニティマークと優先席の歴史」を含む「マタニティマーク」の記事については、「マタニティマーク」の概要を参照ください。
- マタニティマークと優先席の歴史のページへのリンク