ポップカルチャーとユーモア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 06:48 UTC 版)
「全能の逆説」の記事における「ポップカルチャーとユーモア」の解説
全能の逆説は、大衆文化の中にも浸透している。様々なメディアの中で、全能の逆説や全能者の存在に関する議論が参照される。 『ザ・シンプソンズ』のある回で、ホーマーがネッド・フランダースにこう質問している。「イエスはブリートを自分で食べられない程熱くチンすることができるだろうか。」 この表現は前述のものと異なり物理学方面からの苦情がこないことに注目して欲しい。ブリートの定義には慣性や相対性などといった近代的な概念は関係してこないからである。 ネット上の話題「チャック・ノリス・ファクト」の中に「チャック・ノリスは自分でも持ち上げられない程重い石をつくることができる。そしてそれを持ち上げてしまうのだ。クソったれである証明に。」とある。 スティーヴン・ホーキングは『時間史概説』 en:A Brief History of Time において、自然法則に関連した創造主の役割を論じたより一般的な議論の中で、全能の逆説を紹介している。後の著作『ブラックホールとベビーユニバース』 Black Holes and Baby Universes の中で冗談めかして、これらの宗教的憶測をもりこんだ御陰で─最後の行の「その時我らは神の御意を知るであろう。」 "for then we would know the mind of God" を含んで─恐らく問題の本の売れ行きが二倍くらいになったと語っている。 SFテレビドラマ『新スタートレック』に、Qという名前で知られる全能者が登場する。Qに関係した幾つかの回の中で、主にユーモラスな筆致で逆説的結果が追求される。 SFテレビドラマ『バビロン5』で、二人の登場人物がこの逆説について語っている:(台詞の引用につき訳出せず) ジョージ・カーリンはナイトクラブに出演する際よく「重い石」の疑問に言及する。近所の悪ガキどもが教会で質問するらしい。 「サムシング・オーフル」もこの疑問を投げかけた。「神様は、値段が高すぎて自分にも買えないゲーム機を創れるの?」 編集者の答えはこうだった。「お創りになれる。そのゲーム機というのはXbox 360だよ。」 山田正紀は『神狩り』の中で直接的にこの逆説を導入している。 田中芳樹は『銀河英雄伝説』の中で登場人物の一人に「全能の神は自分の言うことを聞かない女を作れるか」という表現でこの逆説に言及させている。
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