ボルサック・ウラムの定理への転化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/23 08:50 UTC 版)
「ハムサンドイッチの定理」の記事における「ボルサック・ウラムの定理への転化」の解説
ハムサンドイッチの定理は、ボルサック・ウラムの定理(英語版)を用いることによって、以下に述べる手順で証明される。この証明は、ステインハウスや他の研究者によって与えられたものであり、n = 3 の場合はステファン・バナフに従う。 今、2等分しようとしている n 個の物体を A1, A2, …, An と表す。n 次元ユークリッド空間 Rn に埋め込まれている、原点を中心とする n − 1 次元単位球面を S と表す。その球面 S の表面上の任意の点 p に対して、原点から p への法線ベクトルに直交する(必ずしも 0 を中心としない)有向アフィン超平面の連続体を、そのベクトルの指す方向である各超平面の「正の方向」によって定義することができる。 中間値の定理により、そのような超平面のすべての族には、有界な物体 An を2等分するような超平面が少なくとも1つ含まれている。すなわち、一つの極端な場合には、そのような「正の方向」に含まれるような An の体積は全くなく、またもう一方の極端な場合には、An のすべての体積がそのような「正の方向」に含まれるため、その中間には必ずちょうど半分の An の体積が「正の方向」に含まれるような場合が存在する、ということである。 もしもその族にそのような超平面が1つ以上含まれているのなら、An が2等分される各 translations の間隔の中点を選ぶことにより、唯一つだけ超平面を決めることができる。したがって、球面 S の表面上の各点 p に対して、原点から p へのベクトルと直交し、かつ An を2等分するような超平面 π(p) を得ることができる。 その (n − 1)-球面から (n − 1)-次元ユークリッド空間 Rn − 1 への関数 f を、次のように定める: f(p) = (π(p) の正の方向に含まれる A1 の体積, π(p) の正の方向に含まれる A2 の体積, ..., π(p) の正の方向に含まれる An−1 の体積). この関数 f は連続である。したがって、ボルサック・ウラムの定理(英語版)により、f(p) = f(q) であるような球面 S 上の対蹠点 p と q が存在する。そのような対蹠点 p と q は、正とする方向が正反対であることを除いて等しいような超平面 π(p) と π(q) に対応する。したがって、f(p) = f(q) は、各 i = 1, 2, ..., n − 1 に対して、超平面 π(p) (あるいは π(q))の正の方向と負の方向に含まれる Ai の体積が等しいことを意味する。以上のことから、π(p) (あるいは π(q))が、A1, A2, …, An の体積を同時に2等分するような、求めるハムサンドイッチカットであることが分かる。
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