ホスフィンオキシド
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ホスフィンオキシド (英: phosphine oxide) は、化学式が Cl3P=O で表される塩化ホスホリルのような無機リン化合物や、POR3(R = アルキル基、アリール基)で表される有機リン化合物である。有機ホスフィンオキシドはもっとも安定な有機リン化合物であると考えられ、トリフェニルホスフィンオキシドやトリメチルホスフィンオキシドは450 °C以上でのみ分解する[1]。
- ^ D. E. C. Corbridge "Phosphorus: An Outline of its Chemistry, Biochemistry, and Technology" 5th Edition Elsevier: Amsterdam 1995. ISBN 0-444-89307-5.
- ^ Chesnut, D. B.; Savin, A. (1999). “The Electron Localization Function (ELF) Description of the PO Bond in Phosphine Oxide”. J. Am. Chem. Soc. 121 (10): 2335–2336. doi:10.1021/ja984314m.
- ^ G. L. Miessler and D. A. Tarr “Inorganic Chemistry” 3rd Ed, Pearson/Prentice Hall publisher, ISBN 0-13-035471-6.
- ^ T.A.M. van Schaik et al., published in 1982 or 1983 in the "recueil des travaux chimique des Pays Bas" (own work)
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ホスフィンオキシド
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「有機リン化合物」の記事における「ホスフィンオキシド」の解説
詳細は「ホスフィンオキシド」を参照 ホスフィンオキシド (δ3λ3) は R3P=O で表され、酸化数は −1 である。水素結合により多くは親水性である。P=O 結合はかなり分極しており、例えばトリフェニルホスフィンオキシドの双極子モーメントは 4.51 D である。 リンと酸素の結合は古くから議論の的だった。5価のリンはオクテット則に反しており、昔はアミンオキシドと同じく R3P→O のように配位結合として記述された。酸素の電子対からリンの(窒素には無い)空のd軌道への逆供与による完全な二重結合という説もあったが、P=O 結合は C=C 結合と違って付加反応をしないことを説明できなかった。いまでは計算化学の発達によりイオン性の単結合 P+−O− にかなり近いことがわかっている。結合距離がふつうの単結合より短く強いのはイオン間のクーロン力による。硫酸、リン酸および過塩素酸の結合も強く分極した単結合である。
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