アミンオキシド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/06 08:22 UTC 版)
アミンオキシド (amine oxide)、あるいはアミン-N-オキシドとは、一般構造式が R3N+-O−(別表記として R3N=O、R3N→O)と表される化合物群のこと。狭義には三級アミンやピリジンのような含窒素複素環式化合物の酸化物のみを指すが、広く一級、二級アミンの酸化物を含めることもある。
性質
アミンオキシドは四級アンモニウムイオン (R4N+) に匹敵するほどの極性を持つ。分子量の小さいアミンオキシドは親水性が高く水によく溶け、いっぽう有機溶媒への溶解性は低い。
アミンオキシドは弱い塩基性を持ち、酸解離定数 pKa値はおおよそ 4.5 程度、プロトンの付加によりカチオン性のヒドロキシルアミン構造 R3N+-OH をとる。
合成
アミンオキシドは通常、三級アミンやピリジンなどの複素環式化合物を酸化して合成される。酸化剤は過酸化水素、過硫酸などの過酸や、メタクロロ過安息香酸などの過カルボン酸が用いられる[1]。
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反応
適切な還元剤により母化合物のアミンに戻る。還元剤/条件としては LAH、水素化ホウ素ナトリウム、触媒的還元、亜鉛/酢酸、鉄/酢酸などの系が用いられる。ピリジン N-オキシドや誘導体は、三塩化リンや三臭化リンにより還元できる。