ペロポネソス地方とは? わかりやすく解説

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ペロポネソス

(ペロポネソス地方 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/19 10:15 UTC 版)

ペロポネソス地方
Περιφέρεια Πελοποννήσου
ギリシャ
首府 トリポリ
所属県 アルカディア県
アルゴリス県
コリンティア県
ラコニア県
メッシニア県
知事 ディミトリス・プトホス
人口 539,535人 (2021年現在)
面積 15,490 km² (5,981 sq.mi.)
人口密度 35人/km² (90人/sq.mi.)
公式サイト www.peloponnisos.gr

ペロポネソスギリシア語: Πελοπόννησος / Pelopónnisos)は、ギリシャ共和国の広域自治体であるペリフェリア(地方)のひとつ。「ペロポネソス」は古典ギリシャ語音(Pelopónnēsos)に由来する日本語表記で、現代ギリシャ語音は「ペロポニソス」に近い。ギリシャ本土最南端に位置し、ペロポネソス半島(ペロポニソス半島)の大部分を占める。首府は中部のトリポリ。面積15,490km2、人口は539,535人(2021年国勢調査)[1]

地理

位置

バルカン半島最南端に位置し、ペロポネソス半島の大部分を占める。半島西北部のアハイア県イリア県西ギリシャ地方に属し、半島東端のトロイジナ周辺はアッティキ地方(ピレウス県)の飛び地となっている。

地勢

主要な都市

ペロポネソス地方最大の都市は、南西部のカラマタ(人口約5万4000人)である。メッシニアコス湾に面した港湾都市であるカラマタは、西ギリシャ地方に属するパトラ(人口約17万人)に次ぎ、ペロポネソス半島第二の都市である。東北部のコリントス(約3万人)、中部にあるペリフェリア首府トリポリ(約2万9000人)がこれに続く。

1万人以上の都市には、東北部のアルゴスおよびナフプリオ、南東部のスパルティ(スパルタ)がある。

2001年国勢調査による都市人口[2]は以下の通り。

  • カラマタ (メッシニア県カラマタ市) - 54,065人
  • コリントス (コリンティア県コリントス市) - 30,434人
  • トリポリ (アルカディア県トリポリ市) - 28,976人
  • アルゴス (アルゴリダ県アルゴス=ミキネス市) - 25,068人
  • ナフプリオ (アルゴリダ県ナフプリオ市) - 13,124人
  • スパルティ(ラコニア県スパルティ市) - 16,473人

歴史

ペロポネソス地方は、近代ギリシャの独立以来の領土である。

1987年の地方行政改革により、従来の「地理的な地方」に代わる行政区画として13の「ペリフェリア」(地方)が設置され、ペロポネソス地方が設立された。2010年の地方行政改革(カリクラティス改革)によってペリフェリアの権限が拡充され、従来内務省による任命制であった知事が公選制となり、広域自治体となった。

行政区画

ペロポネソス地方は、西ギリシャ地方、イオニア諸島地方とともに、ペロポネソス・西ギリシャ・イオニア諸島管区(首府・パトラ)に属する。

ペロポネソス地方(2011年)

ペロポネソス地方は、以下の5つの行政区(περιφερειακές ενότητες)から構成されている。これらの地区は、2010年の地方制度改革(カリクラティス改革)以前は自治体としての県(ノモス、νομός)であった。

行政区名 綴り 政庁所在地 面積
(Km²)
人口
(2021年)[1]
1 アルカディア Αρκαδία
Arkadía
トリポリ 4,419 77,592
2 ラコニア Λακωνία
Lakonía
スパルティ 3,636 84,337
3  メッシニア Μεσσηνία
Messinia
カラマタ 2,991 146,080
4 アルゴリダ Αργολίδα
Argolída
ナフプリオ 2,154 93,216
5 コリンティア Κορινθία
Korinthía
コリントス 2,290 138,310

エラフォニソス

ペロポネソス地方には、基礎自治体である市(デモス)が26ある。下表の番号は右上地図の番号に一致する。なお、地図に番号が振られていないエラフォニソスは、モネンヴァシア(7)の南にある。

交通

ペロポネソスの幹線道路・鉄道網(2007年)
国道8A号線のコリントス出口付近

ギリシャ本土とペロポネソス半島の間のコリントス地峡に交通路が集中する。ペロポネソス半島の幹線は、コリントスから半島中部のトリポリを経由して南西部のカラマタ方面に至る路線と、コリントスから北西部のパトラ・西海岸のピルゴスをまわりカラマタ方面に出る路線とで構成されている。

道路

アテネからコリントスを経由してパトラに至る路線(GR-8およびその新線にあたるGR-8A、高速道路A8号線)、コリントスからペロポネソス半島を縦断してカラマタに至る路線(GR-7および高速道路A7号線)が幹線に当たり、欧州自動車道にも指定されている。なお、パトラ郊外のリオにはコリンティアコス湾対岸との間にリオ・アンディリオ橋が架けられており、ギリシャ西部の南北交通路となっている。

欧州自動車道路
主要な自動車道路

鉄道

トリポリ駅

19世紀から20世紀にかけて、ピレウス・パトラ・ペロポネソス鉄道会社 (Piraeus, Athens and Peloponnese Railways(のちに国有化されギリシャ国鉄がペロポネソス半島に狭軌(軌間1,000mmの「メーターゲージ」)の路線を敷設した。アテネとパトラを結ぶ路線については、アテネ - キャト間で電化・標準軌の新線が開通し、プロアスティアコス(近郊電車)が走っている。

主要な路線
  • ギリシャ国鉄(OSE)
    • 幹線網(Major Rail network) : 標準軌
      • 〔アテネ〕 - コリントス - キャト
    • ペロポネソス狭軌網(Peloponnese metre gauge network) : 狭軌(軌間1,000mm)
      • 〔アテネ〕 - コリントス - キャト - 〔パトラ〕
      • コリントス - アルゴス - トリポリ - カラマタ
      • 〔ピルゴス〕 - カロ・ネロ - カラマタ
  • トレンOSE英語版(TrainOSE)

空港

  • カラマタ国際空港英語版 : カラマタ市内

港湾・水上交通路

ナフプリオ港
主要な港湾
  • コリントス港 (コリンティア県コリントス市)
  • カラマタ港 (メッシニア県カラマタ市)
  • ギティオ港 (ラコニア県東マニ市)  (Gytheio
  • ネアポリ港 (ラコニア県モネンヴァシア市)  (fr:Néapoli (Péloponnèse)
  • モネンヴァシア港 (ラコニア県モネンヴァシア市)
  • ナフプリオ港 (アルゴリダ県ナフプリオ市)
  • ポルトヘリ港 (アルゴリダ県エルミオニダ市)  (Porto Cheli
  • エルミオニ港 (アルゴリダ県エルミオニダ市)  (Ermioni
運河

文化・観光

世界遺産

  1. ^ a b ΑΠΟΤΕΛΕΣΜΑΤΑ* ΑΠΟΓΡΑΦΗΣ ΠΛΗΘΥΣΜΟΥ ΚΑΤΟΙΚΙΩΝ ΕΛΣΤΑΤ 2021”. ギリシャ国家統計局 (2023年3月17日). 2024年6月18日閲覧。
  2. ^ ここでの「都市」は中心市街地区を指し、自治体の郊外部を含まない。

関連項目

外部リンク

座標: 北緯37度20分 東経22度25分 / 北緯37.333度 東経22.417度 / 37.333; 22.417


ペロポネソス地方

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/14 14:18 UTC 版)

ギリシャ国鉄」の記事における「ペロポネソス地方」の解説

メートルゲージ(軌間1000mmm)の路線 カタコロ(Κατάκολο) - ピルゴス(Πύργος) - オリンピア 2007年改築されピルゴスからオリンピアまでを含め観光鉄道路線として運行されている。カタコロとオリンピア直通する列車1日1往復そのほかにピルゴスオリンピア間を1日2往復列車運行されており、カタコロとオリンピア間の所要時間は約45分である。 コリントス - アルゴス - ナフプリオトリポリ - カラマタ 2009年8月運転再開した カラマタ - メッシーニ(Μεσσήνη) 2007年9月改築され運転再開した

※この「ペロポネソス地方」の解説は、「ギリシャ国鉄」の解説の一部です。
「ペロポネソス地方」を含む「ギリシャ国鉄」の記事については、「ギリシャ国鉄」の概要を参照ください。

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