ペプチド結合の構造
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1930-40年代、ライナス・ポーリングとロバート・コリーはポリペプチド鎖内においてアミノ酸やペプチド結合がどのような形状をしているのかを調べるためX線構造解析を行い、右図のような平面構造を取っていることを突き止めた。ペプチドのC-N結合はCα-N結合より0.13 Å短く、C=O結合がアルデヒドやケトンのC=Oよりも0.02 Å短い事から次のように共鳴していると考えられている。 ペプチド結合の共鳴エネルギーは平面のとき最大値(約85 kJ/mol)をとり、平面から90° ねじれると共鳴エネルギーはゼロとなることからも平面構造が非常に強いことが分かる。ペプチド結合は普通トランス型をとり、隣接するCα同士は点対称の関係になる。シス型をとった場合、立体障害のためトランス型より約8 kJ/molだけ不安定になる。しかし、プロリンの手前のペプチドでは少しだけ安定化する。このためプロリンの手前のペプチドの約10%はシス型をとっている。
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ペプチド結合の構造
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「モーリス・ハギンズ」の記事における「ペプチド結合の構造」の解説
1937年、ハギンズはウィリアム・アストベリーのβシートのモデルを分析して、それまで言われていたような水素結合ではアミド基の水素がカルボキシル基の方向を向かないため、実際には形成されないということに気づいた。彼はさらに共鳴によってペプチド結合の空間配置が変わり水素結合が可能になっている可能性を示した。しかし彼は、同時期のライナス・ポーリングの論文にあったように、ペプチド結合は平面的であるとはっきりと指摘することはできなかった。
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