ベール雲とは？わかりやすく解説

雲頂のベール雲

ベール雲（ベールぐも、ラテン語学術名:velum、略号:vel）は、雲の分類において付随して現れる雲（副変種）の1つ。積雲や積乱雲に付随してみられ、雲頂に水平に薄く広がる雲^[1]^[2]。

雲頂に近いが離れており接しないもの、接しているもの、ベール雲を雲頂が貫くものがある^[1]^[2]。雲頂に乗っかったものはベール状に見え、俗にかつぎ雲とも呼ぶ。貫いたものは俗に襟巻（えりまき）雲とも呼ばれ、上からはドーナツ状に見える^[2]^[3]。

"velum"はラテン語で「船の帆、テントのフラップ」の意味がある^[4]^[5]。なお、"veil"（ベール）は"velum"が転じたもの。

積雲の発達過程で上昇気流が薄い湿った層を押し上げることで、雲が生じる。この形状により、水平に大きく展開したものをベール雲、曲面状のものは頭巾雲と呼ぶ^[2]^[3]^[5]^[6]。

ベール雲自体は十種雲形で層積雲、高層雲、または巻雲にあたる^[2]。

出典

^ ^a ^b “Velum”. International Cloud Atlas（国際雲図帳）. WMO（世界気象機関） (2017年). 2023年2月28日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d ^e 田中達也、『雲・空』〈ヤマケイポケットガイド 25〉、山と溪谷社、2001年 ISBN 978-4-635-06235-0 p.148.「頭巾雲」, p.149.「ベール雲」
^ ^a ^b 小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』. “頭巾雲”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2023年2月28日閲覧。
^ “Appendix 1 - Etymology of latin names of clouds”. International Cloud Atlas. WMO (2017年). 2023年2月28日閲覧。
^ ^a ^b 平凡社『世界大百科事典』第2版. “ベール雲”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2023年2月28日閲覧。
^ “雲を見よう!空の不思議を知ろう -雲と空の観察と学習ガイドブック-” (pdf). 地学編(14). 石川県教育センター. p. 17 (2007年). 2023年2月28日閲覧。