ベラルーシ鉄道へのランサムウェア攻撃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 22:38 UTC 版)
「サイバー・パルチザン」の記事における「ベラルーシ鉄道へのランサムウェア攻撃」の解説
2022年1月、ロシア軍は軍事演習という名目で、ベラルーシを含むウクライナとの国境地帯4カ所に10万人規模の兵力を集結させた。さらにウクライナへ再侵攻の可能性もあると報じられたことで、両国関係は緊迫した(詳細はロシア・ウクライナ危機 (2021年-2022年)も参照)。 2022年1月24日、国鉄ベラルーシ鉄道のシステムにランサムウェア攻撃を仕掛け発券システムなどを暗号化させダウンさせた。ただし要求は金銭ではなく、医療措置を必要とする50人の政治犯の釈放と、ロシア軍の撤収を求めた。同グループの広報は「ベラルーシの主権が侵害され、占領の危険にさらされるという理由で、ロシアの兵士がベラルーシに駐留することを望んでいない。また、ベラルーシがウクライナとの戦争に巻き込まれることにもなる」とし、攻撃の目的を「ロシア軍が目的を達成する上での同鉄道の利用に間接的な影響を与える」ことだと述べた。またシステムの大半は攻撃したが、非常事態を避けるためにオートメーションシステムとセキュリティシステムは意図的に攻撃対象から除外したという。 セキュリティ企業のEmsisoftやレコーデット・フューチャーは、通常は金銭目的で使用されるランサムウェアが、政治目的の脅迫に使われたのは今までになかったと語った。 2月24日、ロシアがウクライナに侵攻。ウクライナ副首相は26日、IT軍の創設を発表し、世界中の民間人ハッカーにロシアの政府機関や企業へサイバー攻撃を呼びかけた。サイバー・パルチザンの広報は「ロシアの独裁者がウクライナへの戦争を開始したため、『ベラルーシ戦術グループ』を作った」とこれに呼応。2月27日に再度ベラルーシの鉄道のシステムに侵入し、ロシア軍の移動を遅らせるため運行を停止させたとしている。だがブルームバーグによると、攻撃が成功したとの主張が正しいかどうか確認は取れていないという。
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