ベネラ14号とは? わかりやすく解説

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ベネラ14号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 06:22 UTC 版)

ベネラ14号
ベネラ13・14号を描いた切手
所属 ソビエト連邦
任務 フライバイ
周回対象 金星
打上げ日時 1981-11-04 at 05:31:00(UTC
打上げ機 プロトン
COSPAR ID 1981-110A
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ベネラ14号(Venera 14、ロシア語: Венера-14)は、1981年に打上げられたソビエト連邦金星探査機である。

ベネラ14号はベネラ13号と全く同じ構造である。ベネラ13号は1981年10月30日6時4分00秒(UTC)、14号は同年11月4日5時31分00秒(UTC)に打上げられた。両機軌道上乾質量は760 kgであった。

設計

それぞれのミッションは、巡航段とランダーで構成された。

巡航段

金星までの飛行巡航段では、衛星バスは金星をフライバイしてランダーからのデータを中継し、その後太陽周回軌道へ入る。ガンマ線分光計紫外線単色光分光計・電子および光子分光計・ガンマ線バースト検出器・太陽風プラズマ検出器・2周波数通信装置を備え、観測を行った。

ランダー

ベネラ14号(ランダー)
所属 ソビエト連邦
任務 金星ランダー
打上げ機 ベネラ14号バス
COSPAR ID 1981-110D
質量 760 kg
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ランダーは加圧された密閉容器で、内部に観測機器や電子装置のほとんどを含み、環状着陸プラットフォーム上に載せられ、上部にはアンテナが設置された。設計は、以前のベネラ9号 - 12号ランダーと似たものであった。化学的性質、同位体の測定、散乱日光のスペクトルのモニター、降下中の放電の記録等を行う機器を持っていた。また、カメラシステム、X線蛍光分光計、スクリュードリル、地表のサンプラー、透過度計、地震計等も搭載された。

ランダーに搭載された実験機器は、次の通りである。

  • 加速度計・衝突分析器:Bison-M
  • 温度計・気圧計:ITD
  • 分光計 / 指向性光度計:IOAV-2
  • 紫外線高度計
  • 質量分析器:MKh-6411
  • 透過度計 / 土壌抵抗計:PrOP-V
  • 酸化還元指示器:Kontrast
  • 2色遠隔カメラ:TFZL-077
  • ガスクロマトグラフィー:Sigma-2
  • 無線 / マイクロフォン / 地震計:Groza-2
  • 比濁計:MNV-78-2
  • 比重計:VM-3R
  • X線蛍光分光計(エアロゾル)BDRA-1V
  • X線蛍光分光計(土壌):Arakhis-2
  • 土壌ドリル装置:GZU VB-02
  • 安定発信器 / ドップラー無線機
  • 小型太陽電池:MSB

着陸

打上げ後、4か月間の飛行を経て、ランダーがバスより分離、1982年3月5日に金星の大気に入った。大気圏突入後、高度約50 kmパラシュートが展開し、単純な空力ブレーキシステムで減速して地上に降りた。

ベネラ14号は、13号着陸地点より南西側へ約950 km離れたフェーベ地域と呼ばれる玄武岩平原の東側近く、南緯13.25°東経310°の地点に着陸した。

ランダーはカメラで地表の写真を撮影し、バネが付いた腕で土壌圧縮率測定を開始した。水晶製カメラの窓はレンズキャップで覆われており、着陸後に外されたが、ランダーのすぐそばにおち、結局レンズキャップの圧縮率を測定することとなってしまった[1][2]

土壌サンプル組成は、X線蛍光分光計によって測定され、ソレアイト質玄武岩と似ていることが示された。

ランダーの寿命は32分間という計画であったが、気温465 、気圧9.5 MPa(地球の94倍)という環境で57分間稼働した。その間、軌道上のバスを使って伝送が維持された[3]

出典



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