ヘルマン・ヒルプレヒトの「夢」
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「サイコメトリー」の記事における「ヘルマン・ヒルプレヒトの「夢」」の解説
1892年3月、ペンシルヴァニア大学の教授ヘルマン・ヒルプレヒトはバビロニアの古代都市ニップルから出土した刻文の写しをチェックしていた。一向に解釈できない刻文を前にヒルプレヒトは疲労し、眠りに落ちた。そして「驚くべき夢」を見た。 夢の中ではバビロニアの長衣をまとった神官が訪れ、ヘルプレヒトをニップルのベル神殿の宝物庫に案内した。神殿の床には瑪瑙が散らばっていた。神官は「あなたが22ページと26ページに別々に掲載した断片は本来一つの物だ」と語りその由来を説明し始めた。それによればクリガルズ王による勅命に従い、ニニブ神像の耳飾りを創るために、円筒を3つに切り分け、それぞれが元の文の一部を含む3つのリングに分割した。うち2つはヒルプレヒトが持つリングで、最後の1対はまだ見つかっていない、という。 夢から覚めたヒルプレヒトは、ニップルの刻文をもう一度調べ直した。すると2つのリングに刻み込まれた文字が1つに繋がることに気付いた。文字は以下のように解読できた。「主であるベルの息子ニニブ神に、ベルの大神官たるクリガルズがこれを奉納した。」 その後、ヒルプレヒトがこの夢について同僚に話した際、イスタンブールの博物館にある2つの瑪瑙のリングの色が何故か互いに異なっている、という話を聞かされた。イスタンブールに旅したヒルプレヒトは、博物館の2つのリングを重ね合わせ、元が同じ円筒であったことを確認した。ヒルプレヒトは「夢」を見たことにより、数百マイル離れたところにあって現物を見たこともない出土品を結びつけることができた。
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