ブルトマン学派に批判的な諸学者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 00:45 UTC 版)
「ナザレのイエス」の記事における「ブルトマン学派に批判的な諸学者」の解説
ドイツ以外のヨーロッパ大陸諸国や英語圏の新約聖書学者たちは、ブルトマン学派の学績やそのイエスの位置づけに対し、福音書の伝承批判の部分をのぞけば、否定的見解を示す場合が多い。ただし、アメリカのJ. M. ロビンソン(先述)とフランスのエティエンヌ・トロクメ(フランス語版)(Étienne Trocmé)は例外である。 ドイツにおいても、イェルク・イェレミアス(ドイツ語版)(Jörg Jeremias)は、"Die Gleichnisse Jesu"(邦題『イエスの譬え』、1966年)において、福音書のなかのイエスのことば、とくに「たとえ話」の伝承批判によって、イエスの「語られたままのことば」を抽出し、これをむしろ基準として福音記者のイエス像・イエス理解に批判を加えている。 エテルベルト・シュタウファー(ドイツ語版)(Ethelbert Stauffer)は、イェレミアスとほぼ同様の手法によって取り出された「真のイエスのことば」のみならず、当時のユダヤ文献との照合によってイエスの業(処女降誕・奇跡行為・復活)にその歴史的信憑性を認め、これらイエスの業を『ヨハネによる福音書』における人物伝的枠組のなかにおさめてイエスの原像を復元し、さらにこれを「すべてのものの基準」に設定して、福音記者だけではなくパウロの「宣教のキリスト」に対しても批判を加えている。
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