フラウィウス証言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:52 UTC 版)
「史的イエスの資料」の記事における「フラウィウス証言」の解説
「フラウィウス証言」は、ローマ当局の手に渡ったイエスの有罪判決と磔刑について説明しているフラウィウス・ヨセフスの『ユダヤ古代誌』第18巻の第3章3にある一節に付けられた名前である。学者たちは、ピラトによるイエスの処刑に関する一節の全体的または部分的な信憑性について異なる意見を持っている。一般的な学術的見解では、「フラウィウス証言」は改竄された部分がある可能性が非常に高い。すなわちヨセフスが書いたピラトによるイエスの処刑に言及した部分があり、その後キリスト教徒が写本を作る過程で改竄されたと大方の学者が推定している。キリスト教徒による改竄の程度と範囲は依然として議論されている。ただしここでヨセフスがおおよそどのようなものを書いたかについては大方の同意が得られている。一方「フラウィウス証言」はヨセフスが書いたものではなく、すべてキリスト教徒による挿入・捏造とする見解もある。また「フラウィウス証言」を引用したのはエウセビオス(260年ころ - 340年ころ)が最初で、それ以前はヨセフスの著作についての言及はあっても「フラウィウス証言」については引用も言及もされていないことから、「フラウィウス証言」はエウセビオスの創作ではないかという議論がある。
※この「フラウィウス証言」の解説は、「史的イエスの資料」の解説の一部です。
「フラウィウス証言」を含む「史的イエスの資料」の記事については、「史的イエスの資料」の概要を参照ください。
- フラウィウス証言のページへのリンク