フィリピンをめぐる問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 07:02 UTC 版)
「香港民族主義」の記事における「フィリピンをめぐる問題」の解説
香港では元々メイドを雇用する家庭が多く、その多くがフィリピン人であることから香港とフィリピンの間には深い結びつきがあった。しかし2010年、フィリピン警察の汚職問題を遠因にして発生し、捜査及び救出作戦の不手際により多数の香港人が死傷したマニラ人質事件をきっかけに、香港人の間で反フィリピン感情が高まり、被害者家族の一部は梁振英にフィリピンへの経済制裁を求めるなど、厳しい対応を求める意見が世論の大勢となった(ただし、事件以前から香港人の間にフィリピン人に対する差別意識が一定程度あったことには注意が必要である)。 11月に香港大学が行った16の国や場所に対して香港人が抱く感情に関する意見調査では、フィリピンとその政府に対する香港人の感情は最悪であり、90%の香港人がフィリピン政府に対して嫌悪感を示し、32%の人がフィリピン人に対し嫌悪感を抱いていると答えた。これを受け香港の様々な政党やグループは支持者から政治資金を得るために、フィリピンへの制裁措置を提案した。 例えば、人民力量はフィリピン人家事労働者の就労許可停止を訴え、公民党や民主党はフィリピン製品のボイコットなどの政策を提唱した。ただ、この2党がフィリピン人家事労働者の就労許可停止ではなくフィリピン製品のボイコットを提唱したのは、フィリピン人労働者の雇用を守るためではなく、自らの支持基盤でありフィリピン人メイドを雇用することが多い中産階級に迷惑をかけないようにするためだとの指摘がある。11月には、人民力量の陳偉業(中国語版)議員が対フィリピン制裁を政府に要請する決議案を立法会に提出し、決議案は建制派と泛民主派の両陣営が「大同団結」して圧倒的賛成多数で可決された。
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