ファン・ティー・キムフックとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 政治家 > その他の政治家 > 社会運動家 > ファン・ティー・キムフックの意味・解説 

ファン・ティー・キムフック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/26 06:52 UTC 版)

ファン・ティー・キムフックベトナム語: Phan Thị Kim Phúc、音訳漢字潘氏金福1963年4月6日 - )は、ベトナムカナダ人。1972年ベトナム戦争の際にフィン・コン・ウトが撮影したピューリッツァー賞獲得の写真に写ったことで知られる。

国際的な反戦運動家で、キム財団を創設し、カナダヨーク大学名誉法学博士ユネスコ親善大使を務めている。財団の名前がキム財団 (Kim Foundation) であることなどから、キム・フックキムさんと呼称されることも多いが、はファン(Phan、潘)。キムフック(Kim Phúc、金福)はである。

経歴

画像外部リンク
“The Terror of War” - ウェイバックマシン(2021年7月9日アーカイブ分)
フィン・コン・ウト、1972年6月8日撮影

ベトナム戦争期

キムフックはベトナム戦争当時、タイニン省(西寧省)チャンバンで暮らしていた。

1972年6月8日、チャンバンにおいて南ベトナム軍と北ベトナム軍が交戦、南ベトナム軍の空軍機がナパーム弾を投下し、キムフックが暮らすチャンバンは空襲を受けた。この時、逃げ惑う村人らとともに裸で逃げる9歳(当時)の少女だったキムフックを撮影した写真AP通信のベトナム人カメラマンフィン・コン・ウト撮影)は「戦争の恐怖」(The Terror of War) と題され、全世界に配信された[1]。この写真は翌1973年ピューリッツァー賞 ニュース速報写真部門を獲得している。

キムフックはこの空襲で重度の火傷を負い、一命は取りとめたものの、この後17回にも及ぶ手術を受けている。なお、このとき彼女を救ったのは当時イギリスITNテレビ記者のクリストファー・ウェイン (Christopher Wain) である。彼は南ベトナム政府の高官に直談判して、キムフックを設備の整っていない病院から、当時の旧サイゴン市内のバスキー病院に転院させることに尽力した。ウェインとキムフックは38年後の2010年に、イギリスで再会を果たした[2]

現在に至るまで

1992年結婚、現在では2児の母となった。ベトナム人の夫とともにカナダで暮らしている。

1996年、ベトナム戦争中に負った重度の火傷を治療する手術を施してくれた外科医との再会を果たす。

1997年にはカナダ国籍を取得。1997年11月10日ユネスコ親善大使に任じられる。

1999年、自伝を出版する。[3]

2004年10月22日、世界各地の戦争紛争に遭遇している子供たちを救済する活動が認められ、カナダ・トロントヨーク大学から名誉法学博士号を授与される。

脚注

  1. ^ 世界まる見え!テレビ特捜部』2024年1月15日放送分の映像ではキムフックの股間がモザイク処理されている
  2. ^ ベトナム戦争:やけどの少女と救った元記者38年ぶり再会【毎日新聞】”. 毎日新聞社 (2010年5月18日). 2010年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月14日閲覧。
  3. ^ Chong, Denise (1991). The Girl in the Picture: the Story of Kim Phúc, the Photograph and the Vietnam WarPenguin Books: New York. ISBN 0-670-88040-X

参考文献

  • 藤えりか 『「ナパーム弾の少女」五〇年の物語』 講談社、2022年

外部リンク





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ファン・ティー・キムフック」の関連用語

ファン・ティー・キムフックのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ファン・ティー・キムフックのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのファン・ティー・キムフック (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS