ファゴソームの分解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 01:50 UTC 版)
物質の飲み込みはアクチン-ミオシン収縮系によって促進される。物質の食作用によってファゴソーム(phagosome、食胞)と呼ばれる細胞小器官が形成される。その後、これは食細胞の中心体に向かって移動し、リソソーム(lysosome、水解小体)と融合してファゴリソソームを形成し分解に至る。ファゴリソソームは次第に酸性化され、分解酵素が活性化する。 分解は、酸素依存性または酸素非依存性の2種類がある。 酸素依存性分解は、NADPHと活性酸素種の生成に依存する。過酸化水素とミエロペルオキシダーゼがハロゲン化反応を活性化させ、次亜塩素酸塩の生成および細菌の破壊をもたらす。 酸素非依存性分解は、リゾチームなどの酵素やディフェンシンなどのカチオン性タンパク質を含む顆粒の放出に依存する。これらの顆粒には他の抗菌ペプチドも存在しており、ラクトフェリンは鉄を補足して細菌にとって好ましくない増殖条件を作り出す。また、ヒアルロニダーゼ、リパーゼ、コラゲナーゼ、エラスターゼ、リボヌクレアーゼ、デオキシリボヌクレアーゼなどの他の酵素も、感染の拡大を妨げ、細胞死につながる必須の微生物生体分子の分解に重要な役割を果たす。 白血球は、食作用の際にシアン化水素を生成し、いくつかの他の毒性化学物質を生成することで細菌、真菌、他の病原体を殺滅することができる。 梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、大腸菌(Escherichia coli)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などの一部の細菌は、いくつかの機構によって食作用を回避することができる[要出典]。
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