ピダーセン弾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/02 00:33 UTC 版)
詳細は「.276ピダーセン弾(英語版)」を参照 .276ピダーセン弾(英語版)は、.30-06弾に代わる小口径弾としてピダーセンが設計したもので、1927年には正式にアメリカ軍の標準小銃弾に採用された。ピダーセン自動小銃はこれをエンブロック式クリップで10発まとめて装填した。薬室内での薬莢の張付きが頻発したため、.276口径弾には対策として薄くハードワックスによるコーティングが施されている。これにより幾分かは張付きは防止されたが、弾倉内への弾薬再装填を困難にする上に、弾薬に潤滑剤を塗らないと機関部で薬莢の張付きを起こす可能性があるという機関的欠陥を公に晒すこととなった。この事も結局、後の自動小銃採用選定で影響を与えてしまっている。 採用後、ガーランドの手掛けた小銃も.30-06弾仕様から.276弾仕様へと再設計された。.30-06弾と比べても評判は良好だったが、配備直前になって陸軍参謀総長ダグラス・マッカーサー将軍が難色を示した。1932年の書簡では、既に大量の.30-06弾が備蓄されていることと、小銃弾が小銃以外の火器にも用いられることに触れ、世界情勢が不安定な現時点での小銃弾更新は大きな混乱を招く可能性があると述べている。政府当局の財政上の問題もあり、結局.276弾の採用は撤回され、ガーランド小銃も.30-06弾仕様が改めて採用される運びとなった。
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