ヒョルヴァルズの子ヘルギの歌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 07:03 UTC 版)
「ワルキューレ」の記事における「ヒョルヴァルズの子ヘルギの歌」の解説
『ヒョルヴァルズの子ヘルギの歌』には、次のような散文の語りがある。ノルウェー王ヒョルヴァルズとスヴァーヴニルのシグルリンの間の息子である名無しの男が、墳丘墓の上に座りながら、9人のヴァルキュリャが馬で駆けてくるのを見かける。その中の一人が特に人目を引いた。このヴァルキュリャが、後にこの男を戦場で守ることになるエイリミ王の娘スヴァーヴァである。スヴァーヴァは男に話しかけ、ヘルギ(「聖なるもの」の意)という名を授ける。それまで一言も発しなかったヘルギは口を開き、彼女を「輝く乙女」と呼んで、自分と結婚しなければ名前も贈り物も受け取ることはできないと告げる。ヴァルキュリャは、シガルスホルムに秘蔵された剣の中でも特に貴重な一振りに覚えがあると述べ、その仔細を詳らかにする。詩の部分では、アトリが女巨人フリームゲルズと罵り比べ(flyting)をする。フリームゲルズはアトリを罵る言葉の中で、ヘルギの周りで27人のヴァルキュリャを見たと言い、特に美しい一人が一団を率いていたと述べる。 二十七人の女がいたが、それに先駆けて、兜をかぶった輝く乙女がいた。馬どもはたてがみを振り、そのたてがみから、深い谷に露がおり、高い森には霰が降った。このため人間たちのところに豊年がやってくるのさ。わたしがみたものは何もかもいやなものばかりだったよ。 フリームゲルズが日光を浴びて石に変じてしまった後、散文の語りは、王となったヘルギがエイリミ王の元に向かい、娘スヴァーヴァとの結婚を求める場面に移る。ヘルギとスヴァーヴァは婚約し、お互いを心から愛した。スヴァーヴァはエイリミ王とともに暮らし、ヘルギは外に戦いに出た。ここでは、スヴァーヴァは「相変わらず」ヴァルキュリャであったと付け加えられている。詩は続き、さまざまな出来事が起こるが、その中でヘルギは戦場で受けた傷が元で死ぬ。詩は、ヘルギとスヴァーヴァは「生れ変わったといわれている」と締めくくられる。
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