ヒメカドフシアリとアリノスササラダニ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/08 05:50 UTC 版)
「家畜化」の記事における「ヒメカドフシアリとアリノスササラダニ」の解説
具体的には、インドネシアのボゴール植物園内に棲息するヒメカドフシアリ(アリ科フシアリ亜科のアリの一種。カドフシアリ属〈gunes Myrmecina〉の1種。グンタイアリの近縁亜科の種)が、アリノスササラダニ(学名:Aribates javensis ササラダニの一種)を“家畜”として“飼育”したうえで、餌が不足した際の非常食用の、すなわち“貯蔵食”として利用している可能性があることを、伊藤文紀(農学者、香川大学農学部教授)らが発見している。アリノスササラダニは、他のササラダニとは違って体が柔らかで、しかも、ヒメカドフシアリはアリノスササラダニの産卵時に卵をくわえて取り出す、すなわち世話をする習性をもつ。これらの形質は、ヒトおよびヒトの対象動物でいうところの「家畜化」と同様の現象がヒメカドフシアリ(※正確には、ボゴール植物園内のヒメカドフシアリの内のいくつかの個体群)とアリノスササラダニの生態として成立しているかも知れないという事実を示してはいる。ただし、伊藤らが自ら言及していることであるが、アリにとってササラダニ類の餌としての価値は大して高くないことも分かっており、蟻客(好蟻性動物)の代表格であるダニ類のアリノスササラダニが、ヒメカドフシアリを片利共生的にうまく利用しているが、アリが飢餓状態に陥った時に限っては食用にされてしまうという解釈が妥当であるとも考えられ、この事実をもってただちに「他を家畜化している」とは言い難い。
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