パワープラントベンディング
エンジンと変速機が一体となって、棒のように曲げ振動をすることをいう。FR車はエンジンと変速機を結合した長さがFF車よりも長く、プロペラシャフトやリヤサスペンションとの連成があり、曲げの共振周波数は1次や2次で100~200Hzと低く、常用回転領域でこもり音が発生し問題となる。FF車では250~450Hzで左右曲げ、上下曲げやねじりなどがある。折れ曲がる位置はエンジンと変速機の結合部付近であり、エンジンブロックとクラッチハウジングの合わせ面の下側にスティフナー(斜めの補強材)を入れたり、結合付近の断面積をできるだけ大きく設計し、剛性アップをはかっている。
パワープラントベンディング
エンジンと変速機部位はボルトで結合されているため、この部分がパワープラント全体のおもな曲げ振動に影響する。この結合部分でパワープラントが折れ曲がったような状態で振動すると、低周波音の発生やこもり音が増大する。パワープラントの曲げ振動の固有振動数とエンジン、もしくはプロペラシャフトの回転数が一致すると、パワープラントは激しく曲げ振動する。これがパワープラント共振であり、その低域には結合合成の向上が求められる。一般にトランスミッションが長いFR車でこの共振が間題となることが多い。
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