バーレカンプ–ウェルチアルゴリズムとは? わかりやすく解説

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バーレカンプ–ウェルチアルゴリズム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/09 08:20 UTC 版)

バーレカンプ–ウェルチアルゴリズム, または ウェルチ–バーレカンプアルゴリズムは,エルウィン・バーレカンプと Lloyd R. Welch から命名された復号アルゴリズムで,メッセージ 多項式 係数として使用するか,ラグランジュ補間に用いるかの何れかによって を入力とする 未満多項式 生成し,次に を代入して符号語 生成するという,元来のリード・ソロモン符号における誤り訂正において効果的である。

復号アルゴリズムの目的は,分かっている入力 と,誤りを含む可能性のある受信した符号語 を用いて,もともとの符号化多項式 復元することである。また,対応する符号語誤りがあると となるような多項式 も算出する (後述)。

タネとなる方程式

誤り 個含まれるとすると, 以上 以下のすべての自然数 について以下の方程式

が成り立つ,という 連立方程式が主人公である。ここで は, である (つまり誤りがある) ような 通りの場合に となり (つまり の根になる),それ以外 通りの場合 (すなわち誤りなく であるような場合) に となる 多項式とし,その 次の係数 とする (すなわち,)。この 連立方程式を直接解くことはできないが,関数

と定義し,モニックである (つまり ) という制約を付加すると,結果的に連立方程式 次方程式によって解けるようになる。

ここで である。また,制約により であるから,方程式は以下のようにできる。

これは線型代数によって,計算量 で解決できる連立方程式である。

このアルゴリズムは,誤り最大数を と仮定し,これに基づいて処理を開始する。もし冗長性原因方程式が解けない (すなわち同じ重複している) のであれば 減らし,以後方程式が解けるようになる,または に達する (これは誤り つも含まれないというたいへんめでたい状況意味する) までこの処理を繰り返す。もし で割り切れるのであれば, であり, となる について符号語 を計算し,元の符号語修復する。また, で割って でない余りが生じるのであれば,それは修復不能な誤り検出されたということである。

ガロアGF に定義されるリード・ソロモン符号 RS を考える。添字 に対応する入力値を とし,送信したいメッセージが であるとする。ラグランジュ補間により,符号化多項式は であり, から 代入して符号語 を得る。ところが残念ながら 誤りが起こってしまい,符号語 を受信したとする。 から始めて上の 方程式を解く。

右辺の行列の下 (第 行) から始まって上に行き,また制約 を考慮して

となって割り切れる。

となるのは 及び である。これらを に代入して,符号語訂正する。

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