ハイパー‐ドルフィンとは? わかりやすく解説

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ハイパー‐ドルフィン【HYPER DOLPHINE】

読み方:はいぱーどるふぃん

日本海洋研究開発機構所有する潜水調査のための無人探査機平成11年1999)にカナダ製造翌年より運用開始最大潜航深度3000メートル支援母船なつしま」に随伴する超高感度のハイビジョンテレビカメラとロボットアーム装備し目視による調査海底からのサンプル採取が可能。


ハイパードルフィン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/27 15:07 UTC 版)

ハイパードルフィン
基本情報
船種 有索式・遠隔操作式無人潜水機(ROV)
所有者 海洋科学技術センター
→ 海洋研究開発機構
経歴
竣工 1999年11月
要目
トン数 空中重量4.3トン
長さ 3.0 m
2.0 m
高さ 2.6 m
主機関 電動機×1基
推進器 スラスター×6基 (前後, 左右, 上下)
速力 前進3ノット / 後進2ノット
左右2ノット、上下1.5ノット
潜航深度 3,000 m→4,500 m
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ハイパードルフィン海洋科学技術センター(JAMSTEC; 現 海洋研究開発機構)が保有・運用する有索式・遠隔操作式の無人潜水機(ROV)[1][2]

来歴

JAMSTECでは、3,000メートル級ROVとして1980年代末より「ドルフィン-3K」の運用を行っていたが、これは有人潜水調査船しんかい2000」の事前調査・救難装置として開発されたという経緯もあり、海洋調査・研究のための潜航チャンスは限られていた[3]

このことから、海洋調査に専従する3,000メートル級ROVとして導入されたのが本機である。1999年11月に完成、2000年春より実海域試験が開始された[4]。3,000メートル級は研究者からのニーズが多く、深海研究調査公募対象としては一番人気である。また、運用機1機のほか完備予備機1機が導入されたことから、後に海底調査だけでなくDONET計画にも投入されるようになった[3]

設計

本機は、カナダのISE社のROVをもとに、所定の艤装を施したものである。有索式ROVであり、アンビリカルケーブルは3,300メートル長[2](後に5,000メートル長に延伸)、破断強度16.5トンの光-電気複合ケーブルである[3]

動力は電動油圧式であり、油圧供給用としては出力75キロワットの電動機が用いられている[4]。推進器としてはスラスター6基を搭載しており、前進3ノット、後進2ノット、左右2ノット、上下1.5ノットでの移動が可能である[1]。最大潜航深度は、当初は3,000メートルであったが、後にDONET計画に対応するため、4,500メートルに強化された[3]

母船としては、当初は「かいよう」が用いられており、「しんかい2000」の運用終了後は「なつしま」も使われるようになった[3]。操縦コンテナ内には6基の大型プラズマディスプレイが配されている[4]

装備

装備面の最大の特徴がハイビジョンカメラの搭載である。これは1991年の改修で「ドルフィン-3K」に搭載されたSuper HARPと同系列の技術を用いて、NHKと共同で新規に開発されたものである。カメラはF1.8、5倍ズームのレンズを備えており、長さ639ミリ、外径216ミリとコンパクトにまとめられている。このハイビジョンカメラのほか、カラーCCDテレビカメラ、後方監視用カメラなど計4台のテレビカメラが搭載されている。なお、照明灯はメタルハライドランプ(400ワット)5灯、ハロゲンランプ(250ワット)1灯を備えており、特に前方のライトは、ハイビジョンカメラの性能を十全に発揮できるよう、可動式のライトブームに配されている[4]

これらの電子光学センサーのほか、航法用として、障害物探査ソナーや深度計・高度計も搭載されている[1]

試料採取用としては、機体前部に一対のマニピュレーター(7自由度)および格納式サンプルバスケットが備え付けられている[4]。マニピュレーターは水中重量約70キロ以下のものを取り扱うことができる[1]

参考文献

  1. ^ a b c d 海洋研究開発機構 (2015年4月). “無人探査機「ハイパードルフィン」” (PDF). 2016年6月26日閲覧。
  2. ^ a b 海洋研究開発機構. “3000m級無人探査機「ハイパードルフィン」”. 2016年6月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e 海洋研究開発機構. “無人探査機” (PDF). 2016年6月26日閲覧。
  4. ^ a b c d e 内田徹夫「超高感度ハイビジョンカメラがとらえる深海の姿」『Blue earth』第50号、海洋科学技術センター、2000年11月、12-15頁。 

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