ハイティング代数意味論とは? わかりやすく解説

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ハイティング代数意味論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 04:07 UTC 版)

直観主義論理」の記事における「ハイティング代数意味論」の解説

古典論理において、我々はしばし論理式の取る真理値について議論する。この値は普通はブール代数の元から選ぶ。ブール代数交わりと結び論理結合子の ∧ {\displaystyle \wedge } と ∨ {\displaystyle \vee } に同一視される。そして A ∧ B {\displaystyle A\wedge B} の真理値は A {\displaystyle A} と B {\displaystyle B} の真理値ブール代数における交わりとする。このとき論理式古典論理において妥当であることと、任意のブール代数その上で値を取る真理値割り当てに対して論理式真理値が ⊤ {\displaystyle \top } であることとが同値となる。 直観主義論理においても同様の完全性定理成立するが、論理式真理値ブール代数代わりにハイティング代数の元を用いる。ブール代数ハイティング代数特別な場合である。このとき論理式直観主義論理で妥当であることと、任意のハイティング代数その上で値を取る真理値割り当てに対して論理式真理値が ⊤ {\displaystyle \top } であることは同値である。 論理式が妥当であることを確かめ為には、ひとつのハイティング代数の上調べれば十分であることが証明できる。そのハイティング代数数直線 R {\displaystyle \mathbb {R} } の開部分集合からなるハイティング代数である。 この代数系において、 ∧ {\displaystyle \wedge } と ∨ {\displaystyle \vee } は集合交わりと結びである。また A → B {\displaystyle A\to B} は i n t ( A c ∪ B ) {\displaystyle \mathrm {int} (A^{c}\cup B)} すなわち A {\displaystyle A} の補集合と B {\displaystyle B} との和集合内部である。(これは古典論理における含意演算結果開集合になるように調整したのである様相論理観点から見るとこれは必然性外側に付けているのと同じことになる。) ⊥ {\displaystyle \bot } は空集合 ∅ {\displaystyle \varnothing } であり、 ⊤ {\displaystyle \top } は全体集合 R {\displaystyle \mathbb {R} } である。否定 ¬ A {\displaystyle \neg A} は A → ⊥ {\displaystyle A\to \bot } と定義されるが、これは A {\displaystyle A} の補集合開核すなわち外部一致する。この対応付けによって直観主義的に妥当な論理式はちょう空間全体割り当てられるものと一致する例え矛盾律 ¬ ( A ∧ ¬ A ) {\displaystyle \neg (A\wedge \neg A)} は妥当である。なぜなら開集合 X {\displaystyle X} を A {\displaystyle A} の付値してどのように選んでも ¬ ( A ∧ ¬ A ) {\displaystyle \neg (A\wedge \neg A)} の値は次のように直線全体となるからである: v a l ( ¬ ( A ∧ ¬ A ) ) = i n t ( ( X ∧ i n t ( X c ) ) c ) {\displaystyle \mathrm {val} (\neg (A\wedge \neg A))=\mathrm {int} ((X\wedge \mathrm {int} (X^{c}))^{c})} 位相空間論によれば i n t ( X c ) {\displaystyle \mathrm {int} (X^{c})} は X c {\displaystyle X^{c}} の部分集合であり、 X {\displaystyle X} との共通部分は空であるからi n t ( ∅ c ) = i n t ( R ) = R {\displaystyle \mathrm {int} (\varnothing ^{c})=\mathrm {int} (\mathbb {R} )=\mathbb {R} } したがってこの論理式付値は真であり、妥当であることが従う。 しかし排中律 A ∨ ¬ A {\displaystyle A\vee \neg A} は非妥当である。それには A {\displaystyle A} に ( 0 , ∞ ) {\displaystyle (0,\infty )} を割り当てるとよい。すると ¬ A {\displaystyle \neg A} の付値は ( − ∞ , 0 ] {\displaystyle (-\infty ,0]} の内部、すなわち ( − ∞ , 0 ) {\displaystyle (-\infty ,0)} であり、目的論理式付値は ( 0 , ∞ ) {\displaystyle (0,\infty )} および ( − ∞ , 0 ) {\displaystyle (-\infty ,0)} の和集合、すなわち R ∖ { 0 } {\displaystyle \mathbb {R} \setminus \{0\}} となる。これは空間全体一致しない数直線からハイティング代数作る上のやり方任意の位相空間に対して適用できる位相空間論では閉包開核がもとと一致する集合正則開集合という。これはこのハイティング代数における二重否定不変な集合と同じものである正則開集合全体は(完備ブール代数を成す。これは古典論理二重否定によって直観主義論理埋め込めるというグリベンコの定理対応している

※この「ハイティング代数意味論」の解説は、「直観主義論理」の解説の一部です。
「ハイティング代数意味論」を含む「直観主義論理」の記事については、「直観主義論理」の概要を参照ください。

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