ニュートン力学と重力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 03:31 UTC 版)
ニュートンが『自然哲学の数学的諸原理』で開示した力学体系を、ニュートン力学という。 ニュートン力学そのままの用語では、現代では理解しにくい点もあるので、以下では、古典力学の現代版の用語や記述方式を用いつつ、万有引力を解説する。 ニュートンは、太陽を公転する地球の運動や木星の衛星の運動を統一して説明することを試み、ケプラーの法則に、運動方程式を適用することで、万有引力の法則(逆2乗の法則)が成立することを発見した。これは、『2つの物体の間には、物体の質量に比例し、2物体間の距離の2乗に反比例する引力が作用する』と見なす法則である。力そのものは、瞬時すなわち無限大の速度で伝わると考えた。式で表すと、万有引力の大きさ F {\displaystyle F} は、物体の質量を M , m {\displaystyle M,m} 、物体間の距離を r {\displaystyle r} として、 F = G M m r 2 {\displaystyle F=G{\frac {Mm}{r^{2}}}} となる。 G {\displaystyle G} は万有引力定数と呼ばれる比例定数で、 G = 6.67259 × 10 − 11 m 3 ⋅ s − 2 ⋅ kg − 1 {\displaystyle G=6.67259\times 10^{-11}{\mbox{m}}^{3}\cdot {\mbox{s}}^{-2}\cdot {\mbox{kg}}^{-1}} である。(因みに「この式が全ての物体の間で成立する」と考えると「木から落ちるリンゴにも適用することができる」と考えることができるのである。) 地球の質量を M {\displaystyle M} 、リンゴの質量を m {\displaystyle m} 、地球の半径を R {\displaystyle R} とすれば、万有引力の大きさは、 F = G M m R 2 {\displaystyle F=G{\frac {Mm}{R^{2}}}} であり、リンゴの運動方程式は、加速度を g {\displaystyle g} として、 m g = G M m R 2 {\displaystyle mg=G{\frac {Mm}{R^{2}}}} となる。すなわち、地球重力による加速度(重力加速度)は g = G M R 2 {\displaystyle g={\frac {GM}{R^{2}}}} となり、すべての物質について同じ値になる。 地球表面では重力加速度は約9.8m/s2であり、地球の半径は約6400kmであるので、上記の式から地球の質量を M = g R 2 G ≃ 6 × 10 24 kg {\displaystyle M={\frac {gR^{2}}{G}}\simeq 6\times 10^{24}{\mbox{kg}}} のように求めることができる。同様に、他の惑星上での重力加速度も求めることができる。
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