ドライバー育成とメーカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 17:42 UTC 版)
「日本のモータースポーツ」の記事における「ドライバー育成とメーカー」の解説
トヨタ、ホンダ、日産を中心に自動車メーカーが若手育成プログラムを運営し、その出身である佐藤琢磨、中嶋一貴、小林可夢偉、千代勝正といったドライバーたちが海外で結果を残している。 しかしそれが災いし、日本メーカー同士のしがらみという問題にも繋がっており、スーパーフォーミュラでは日産の育成ドライバーが、トヨタ・ホンダ両側からエンジン供給を拒否されていた事例があった。 海外のドライバーではセバスチャン・ブエミのように複数の日本メーカーとの間で同時にワークス契約をしていたり、小林可夢偉やアンドレ・ロッテラーのように日本メーカー1社+海外のメーカーとの同時に複数メーカー間で契約という事例はあるが、日本人ドライバーの日本メーカー同士でそのような事例を探すのは難しく、親子会社の関係にあるトヨタとスバル間でドライバーの融通がある程度である。松田次生や伊藤大輔のように他の日本メーカーへ籍を移すことはよくあるものの、籍を起きつつ他の日本メーカーのプロレベルのマシンもドライブするというのは難しい現実がある。 また雇用先のメーカーの参戦状況次第で、ドライバーが最終的に上り詰めることのできるステージの上限も決まってしまう。例えば2000年代にはトヨタとホンダのどちらかの育成プログラムに入ればF1を目指すことはできたが、2022年以降はどちらのメーカーでもできなくなる。同様にWRCのトップレベルを目指す場合も、トヨタしか選択肢が無い。これは日本のプライベーターチームが海外で有力チームとして生き残ってないこととも関係がある。 自ら資金をかき集めて海外レースに単身挑戦するような志ある日本人ドライバーは毎年何人もいるものの、上述のメーカー育成ドライバーたちに比肩する活躍をできた者はおらず、多くは夢を諦めて日本に帰ってくるか、現実を受け止めてレース自体を止めてしまう者もいる。そうした事情から、日本人が世界レベルのレースで頂点を目指すには、資金力や海外へのツテも豊富なメーカーに頼らざるを得ないのが現状である。
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