ドメインとタンパク質の柔軟性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 13:42 UTC 版)
「タンパク質ドメイン」の記事における「ドメインとタンパク質の柔軟性」の解説
タンパク質の中のマルチドメインの存在は、タンパク質に柔軟性と可動性を与える。観察された最も大きなドメインの動きの1つはピルビン酸リン酸ジキナーゼの回転機構である。ヌクレオチド結合ドメインの活性部位からホスホエノールピルビン酸/ピルビン酸ドメインにリン酸基を移動させるために、ホスホイノシチドドメインが両者の間を回転する。リン酸基は45Å、ドメインは約100°も動く。ドメインの動きは次のような働きに重要である。 触媒 活性の調節 代謝産物の輸送 タンパク質構造の形成 細胞運動 酵素では、あるドメインが他のドメインと閉じることによって基質が捕獲される。このような動きは異なる環境での三次元結晶構造を比較したり、核磁気共鳴分光法での実験によって見ることができる。Gersteinらの詳細な研究によって、ドメインの動きはヒンジ(ちょうつがい)型とはさみ型という2つの基本的なクラスに分類された。またドメインの再配列の際に大きなコンフォメーションの変化を引き起こすのは、インタードメインリンカーと言われる、鎖の小さな部分であることが明らかとなった。
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