ドメイン、モチーフ、フォールド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:23 UTC 版)
「タンパク質構造」の記事における「ドメイン、モチーフ、フォールド」の解説
多くのタンパク質はいくつかのユニットから成り立っている。タンパク質ドメインはタンパク質全体の構造の要素の1つであり、それ自体で安定化され、他の部分とは独立にフォールディングもなされる。多くのドメインは1つの遺伝子や遺伝子ファミリーによって作られるタンパク質に特有のものではなく、多くの種類のタンパク質に共通して見られる。ドメインは多くの場合、例えばカルモジュリンにおけるカルシウム結合ドメインのように、タンパク質の生物学的な機能にとって重要である。ドメインは独自に安定化されているため、遺伝子工学によって別のタンパク質のドメインを移植し、キメラを作ることができる。一方モチーフと言うのはヘリックスターンヘリックスのようなある程度特異的な二次結合の組み合わせを指す。これらは超二次構造と呼ばれることもある。タンパク質フォールドはヘリックスバンドルやβバレルのような、配列の空間的なタイプを意味する。真核生物では10万程度の種類のタンパク質が発現しているが、ドメイン、モチーフ、フォールドの種類はそれよりずっと少ない。これは、遺伝子の一部がゲノムの中で重複したり位置が変わったりという進化の結果である。これは、あるタンパク質のドメインが別のタンパク質のドメインにも導入されて新しい機能が加わってきたことを意味する。このようなプロセスを経て、代謝や機能の発現には多数の様々なタンパク質が関与するようになった。
※この「ドメイン、モチーフ、フォールド」の解説は、「タンパク質構造」の解説の一部です。
「ドメイン、モチーフ、フォールド」を含む「タンパク質構造」の記事については、「タンパク質構造」の概要を参照ください。
- ドメイン、モチーフ、フォールドのページへのリンク