トンマーゾとゾエ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 02:47 UTC 版)
「ある日、ローマの別れ」の記事における「トンマーゾとゾエ」の解説
小説家のトンマーゾと恋人のゾエは、10年に及ぶ同棲生活の中で喧嘩らしい喧嘩もしたことがなく、今は夫婦のような落ち着いた関係にある。トンマーゾは出版社からの依頼で「マルケス」のペンネームで恋愛相談コラムの執筆もしている。ある日、長い付き合いの恋人を傷つけずに別れたいとの相談を受けるが、その相談者はゾエだった。ショックを受けたトンマーゾは相談内容を雑誌には書かず、マルケスとして正体を隠したままゾエと直接メッセージのやり取りをして、ゾエの本心を聞き出すことにする。そしてゾエが日常生活の些細なことに不満を感じていることを知ったトンマーゾは、何とかゾエを翻意させようと自らの言動を改める。そんなトンマーゾに戸惑うゾエだったが、同時に、トンマーゾに情を感じても愛を感じていないことに気づいていく。そして自分の心を見透かしているようなマルケスに惹かれていく。そんなある日、ゾエがロンドン支社への栄転を隠していたことをきっかけに、ついにトンマーゾは怒りを爆発させ、ゾエはアパートを出ていき、姉エステルのもとに身を寄せる。しばらくして、2人それぞれが別の相手といる際に鉢合わせしたことをきっかけに、2人は衝動的に肉体関係を結んでしまう。これによって寄りが戻ることはなかったが、2人の心境にそれぞれ微妙な変化が生まれる。トンマーゾの新作を読んで気に入ったゾエはトンマーゾのサイン会に出向くが、そこでふとしたことからマルケスの正体がトンマーゾであることに気づき、2人は激しく罵り合う結果となる。それでもトンマーゾに離れ難い思いを残すゾエは、ロンドンへの転勤直前になって「マルケス」に「トンマーゾに会わせて」と伝える。約束の場所に現れたトンマーゾにゾエは一緒にロンドンに行くことを提案する。しかし、トンマーゾは「一緒にいてもまた憎み合うだけだ、もう憎みたくない」と目に涙を浮かべて訴える。こうして2人は前向きな気持ちで別れることを決める。
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