トレーサビリティ
英語:traceability
トレーサビリティ(英: traceability)とは、商品の生産・流通過程が追跡可能であること、および、生産・流通の履歴を正確に記録・管理するシステムのこと。
英語のtraceabilityは動詞のtrace(跡を辿る)に接尾辞-ability(可能である)が付いた形容詞である。日本語では「追跡可能性」という訳語が用いられる場合も少なくないが、単に追跡できるかどうかに留まらず、追跡のための履歴の記録や管理体制までを包括した表現として用いるためにも、英語をそのままカタカナ表記にした「トレーサビリティ」という言い方が用いられることが多い。
「生産履歴」という生産・流通過程の記録を意味する用語もあるが、トレーサビリティはその記録を残す体制をどう構築するか、その記録をどれだけたどれるか、という概念である。
トレーサビリティは、食の安全の観点から、特に食品流通の分野において重視されるようになった。例えば、2003年に、牛海綿状脳症(BSE)や偽装表示の問題を受けて牛トレーサビリティ法が制定・施行され、牛肉の生産加工・流通履歴の管理が義務化されている。各事業者が食品を取り扱った記録を作成・保存しておくことにより、食中毒などの健康被害が生じた際に、問題を含む食品がどこから来たのかを調べたり(遡及=トレースバック)、どこに行ったか(追跡=トレースフォワード)を調べたりすることができる。
工業製品の生産・流通、家電製品等のリサイクル過程においても、トレーサビリティが求められるようになっている。
使用例:
一つ一つ番号で管理される宅配便は、トレーサビリティが高い。
完璧なトレーサビリティの構築には、関わる企業・個人のモラルが欠かせない。
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