トポロジカルな交叉形式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/13 13:28 UTC 版)
2n 次元の連結な向き付け可能多様体 M に対して、交叉形式(intersection form)は、基本類 [ M ] ∈ H 2 n ( M , ∂ M ) {\displaystyle [M]\in H_{2n}(M,\partial M)} の上のカップ積の評価により n-番目(普通、「中間次元」と呼ばれる)のコホモロジー群の上に定義される。詳しく言うと、双線型形式 λ M : H n ( M , ∂ M ) × H n ( M , ∂ M ) → Z {\displaystyle \lambda _{M}\colon H^{n}(M,\partial M)\times H^{n}(M,\partial M)\to \mathbb {Z} } が λ M ( a , b ) = ⟨ a ⌣ b , [ M ] ⟩ ∈ Z {\displaystyle \lambda _{M}(a,b)=\langle a\smile b,[M]\rangle \in \mathbb {Z} } により与えられる。元 a と b の入れ替えについては、 λ M ( a , b ) = ( − 1 ) n λ M ( b , a ) ∈ Z {\displaystyle \lambda _{M}(a,b)=(-1)^{n}\lambda _{M}(b,a)\in \mathbb {Z} } である。 n が偶数の(従って、次元が 4 の倍数である)場合は、交叉形式は対称双線型形式であり、M の符号数(英語版)(signature)は、交叉形式の符号数として定義される。n が奇数の(従って、2n = 4k + 2 の)場合は、交叉形式は交代形式(英語版)(alternating form)である。これらはε-対称形式(英語版)として統一的に記述できる。ここに ε = ( − 1 ) n = ± 1 {\displaystyle (-1)^{n}=\pm 1} として、各々対称的と反(歪)対称的とする。ある条件の下では、この形式からε-二次形式(英語版)へ精密化することもできるが、そのようにするためには、接バンドルの枠付き多様体(英語版)(framing)のようなデータを加えなければならない。向き付けという条件を落とし、かわりに Z 2 {\displaystyle \mathbb {Z} _{2}} 係数とすることも可能である。 これらの形式は、重要な位相不変量であり、例えば、マイケル・フリードマン(Michael Freedman)の定理は、単連結なコンパクトな 4次元多様体は(ほぼ)同相の下に交叉形式で決定されると言っている。 – 交叉形式を参照。 ポアンカレ双対により、このことを幾何学的に考える方法があることが判明している。可能であれば、n-次元部分多様体 A と B を a と b のポアンカレ双対として選択すると、 λ M {\displaystyle \lambda _{M}} (a, b) は、A と B の向き付け交叉数(英語版)となる。この交叉数は A と B の次元により、うまく定義できる。[要説明] 以上が用語交叉形式を説明している。
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