デーリとは? わかりやすく解説

デーリ

名前 Daly; Dery; Déry

デール

(デーリ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/03 03:18 UTC 版)

ブリヤート人のデール(左が男性用、右が女性用)

デール (ᠳᠡᠪᠡᠯдээлdeel[1]) は、モンゴル国および中国の内モンゴル自治区モンゴル族が着っている民族衣装のことであり、チャイナドレスのルーツにも当たる服である。

構造

立襟で左に打ち合わせがあるナイロンの丈の長い上着である。夏用には薄い布の裏地、冬用には子羊の毛皮の裏地がついている[2]

特に、春夏用の綿入れのデールをテルレグ( ᠲᠡᠷᠯᠢᠭ、тэрлэг)とも呼ぶ。部族・年齢・性別・未既婚などによって、細かい違いがあるために、おおよそ400種類を超すデールがあるとされる。

寝具や家畜の防寒などにも使用されている[3]

着方[4]

ゴタル( ᠭᠤᠲᠤᠯ、гутал)と呼ばれる膝丈で先のそりかえったブーツを履くのが一般的である。男性はこれにジャンジン・マルガエ( ᠵᠠᠩᠵᠤᠨ
ᠮᠠᠯᠠᠭᠠᠢ
、жанжин малгай、頭頂部が玉ねぎのようにとがっている正装用の帽子)を被り、女性はトールツォグ( ᠲᠣᠭᠤᠷᠴᠤᠭ、тоорцог、長い飾り紐がついた丸い帽子)をかぶる。一般に、男性のデールはゆったりと着付け、無地で渋い色合いが好まれる。特に格が高いとされるのは青色のデールである。女性は、模様のある鮮やかな色調のデールをウエストを強調して着付ける。その上にフレム( ᠬᠦᠷᠮ᠎ᠡ、хүрэм、袖付き上着)かハンターズ( ᠬᠠᠨᠲᠠᠭᠠᠵᠠ、хантааз、袖なし上着)を着ることもある。また、既婚女性はブス( ᠪᠦᠰᠡ、бүс、帯)を締めないデールの上にウージ( ᠤᠤᠭᠤᠵᠤ、ууж)という袖なしの長い上着を着ることがある。

現在、ウランバートルなど都市部に住む女性は、ウムド( ᠥᠮᠦᠳᠦ、өмд、ズボン)を略し、ゴタルの代わりにパンプスを履くこともある。

採寸はメジャーなどは使わず、掌を使って丈を決める。掌7つぶんが目安とされる。

脚注

  1. ^ 以下のモンゴル語名称は『蒙漢詞典 増訂本』内蒙古大学出版社、1999年。による
  2. ^ モンゴル草原の国だより Vol6 モンゴルの民族服TEN-BOOKS 2020年2月15日閲覧
  3. ^ モンゴル草原の国だよりVol6 モンゴルの民族服TEN-BOOKS 2020年2月15日閲覧
  4. ^ 国立民族学博物館

関連項目


「デーリ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「デーリ」の関連用語

デーリのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



デーリのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのデール (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS