デカルト 明証説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/10 16:16 UTC 版)
ルネ・デカルトは、数学・幾何学の研究によって得られた概念は疑い得ない明証的なものであり、理性による永遠真理であるとしたが、このような永遠真理は神によって創造されたのであり(永遠真理創造説)、他の被造物と同様神に全面的に依存するとし、そこから欺く神の存在を導き出す。そこから、彼は、いったんは数学的な永遠真理でさえ疑うという方法的懐疑論を唱え、ついには肉体を含む全ての外的事物が懐疑にかけられた後に、どれだけ疑っても疑いえないものとして純化された精神だけが残ると主張した。そこから、彼は、純化された精神に明晰かつ判明に現れるもののみを真理の基準として真理の明証説を提唱した。 このように、デカルトに始まる近代的認識論の成立によって、存在論と真理論がいったん切り離されて認識論と真理論が直結し、真理を人間の知性の内部に求める主観主義が成立した。 デカルトの明証説は、その後、カントの超越論的哲学を批判的に承継したエトムント・フッサールがとることになる。フッサールは、数学基礎論の研究から始め、事象そのものへ立ち返る現象学を創始したが、デカルトと同じく数学がその哲学の出発点となっている。フッサールが明証性の基盤について、どのように考えていたのかについては明らかでない点があるとされているが、いわゆる『危機書』によれば、それは生活世界ということになろう。事象に繰り返し立ち返ることによってなされる生活世界の無限の改訂可能性こそフッサールが示した真理である。
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