デカップリング
デカップリング。本来は、農業政策特に価格政策のもつ所得を維持する効果と生産を刺激する効果の二つの効果を切り離すことを意味する言葉ですが、日本では一般的には農家に対する「直接的所得補償政策」として使われている言葉です。では、直接的所得補償政策とは、いったいどのような政策なのでしょうか。 皆さんに最もわかりやすい例が、お米農家の減反に対する奨励金政策です。田んぼでお米を作らない代わりに、その農家に所得を補償するというもの。ちなみに、こうした政策が実施される背景のひとつには、農産物の自由化による価格の国際化や世界的な生産過剰の抑制という問題があります。 このデカップリング、直接的所得補償政策が、農産物の生産だけでなく、棚田の保全という環境の面にも採用されることになりました。大切な自然環境として、子どもたちの情操教育の場として、貴重な役割を担う農村への認識が高まってきたのでしょう。日本の田園風景を代表する棚田。その景観を保護することの意識が認められたというわけです。 そしてじつは、この棚田の保全を多くの酪農家が担っているという事実があります。減反で農家が放棄した土地を酪農家が借り受けて、草地として利用する。それが結果として、日本の風景を保全することになっているのです。しかし、あくまでもデカップリングの対象として所得が保証されるのは、土地の所有者である農家の方々です。残念ながら酪農家はその対象となっていないのが現状です。 |
<ミルククラブ情報誌'98 SPRING vol.27より> |
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