テッツェルのやりかた
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「レオ10世による贖宥状」の記事における「テッツェルのやりかた」の解説
民衆がルターに語ったところによると、テッツェルは、馬車で町の広場に乗りつけると、鐘を鳴らし赤い教皇旗と十字架を立ててきらびやかに現れ、驚くような説教をして「商売」をしていた。 さてお聞きなされ、神と聖ペテロがおまえさんがたをよんでおられるのだ。おまえさんがたの霊魂や、無くなった愛する人たちの霊魂の救いについて、とくと考えなさるがよい。司祭、貴族、商人、娘さん、ご婦人、青年、お年寄りがたよ。聖ペテロの教会であるおまえさんがたの教会に、今おはいりなされ。おまえさんがたのまえに立てられ、いつもおまえさんがたを熱心に求めておられる十字架に、参詣なされ — ヨハン・テッツェル、贖宥状販売の前口上 ルターの伝えるところによると、テッツェルの宣伝口上には次のような「驚くべき」主張が含まれていた。一方、テッツェル本人はこのような発言をしたことを後に否定している。 聖母マリアを犯して身篭らせたとしても、贖宥状を買えば許される。 自分の代わりに聖ペテロが贖宥状を売りに来たとしても、自分の方がより多くの許しを与えることができる。 教皇の紋章である赤い十字架は、キリストの十字架と同じ力がある。 贖宥状を買うにあたり、悔悛の秘蹟(聖職者への告解と懺悔)を受ける必要はない。 これから犯す罪に対しても有効である。 天国への入場券にほかならない。 おまえの母親は今、煉獄で何千年にも渡って焼かれている。贖宥状を買うやいなや、おまえの母親は天国に入る。 テッツェルに代表されるドミニコ修道会士の説明は、明らかに、カトリック教理における罪と罰、悔悛の秘蹟と贖宥の関係を逸脱しているものだった。テッツェルの振る舞いをよく思わない人も多かった。
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