テッツェルを揶揄するパンフレット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 05:27 UTC 版)
「レオ10世による贖宥状」の記事における「テッツェルを揶揄するパンフレット」の解説
テッツェルを揶揄するパンフレットでは、テッツェルはロバにのった姿で描かれており、韻を踏んだ有名な口上が書かれている。テッツェルはいつも売り口上をこの言葉で締め括ったとされている。 So bald der Gülden im Becken klingt Im huy die Seel im Himel springt グルデン金貨が「チリン」と鳴れば たちまち「スポン」と天国へ テッツェルはひどい悪徳のせいで神聖ローマ皇帝から死刑を命じられたことがあるとか、たくさんの隠し子がいるとかといった噂話に代表されるように、数多くの悪評、中傷が残されていて、戯画や嘲詩によって徹底的に貶められている。 テッツェルがどのように贖宥状を売って歩いたかについての情報は、もっぱらルターによる批判の中で描かれている姿からしか窺い知ることはできない。しかし、テッツェルを「大ぼらふき」「市場の呼び込み人」と罵倒していたルターも、自分自身で実際に直接テッツェルの姿を見聞きしたわけではなく、庶民からのまた聞きでしかなかった。 こうした大道商人のような「テッツェルの行状」は、このあと起きる宗教改革とプロテスタント・カトリックの対立のなかでスケープゴートにされて大袈裟に悪しざまに誇張されたものであり、実際のところかなりの部分は不当で事実ではないだろうと考えられている。
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