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チゴモズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 03:59 UTC 版)

チゴモズ
チゴモズ Lanius tigrinus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
亜目 : スズメ亜目 Oscines
: モズ科 Laniidae
亜科 : モズ亜科 Laniinae
: モズ属 Lanius
: チゴモズ L. tigrinus
学名
Lanius tigrinus
Drapiez, 1828[2][3]
和名
チゴモズ[2][3]
英名
Thick-billed shrike
Tiger shrike
[2][3]

チゴモズ(稚児百舌、Lanius tigrinus)は、スズメ目モズ科モズ属に分類される鳥類。

分布

インドネシアカンボジアシンガポールスリランカタイ大韓民国中華人民共和国台湾朝鮮民主主義人民共和国日本フィリピンブルネイベトナムマレーシアミャンマーラオスロシア東部

冬季は中華人民共和国南部やフィリピン・スマトラ島で越冬する[3]。日本では本州(主に東北地方から中部地方)に局所的に分布する(夏鳥)[3]。九州でも繁殖記録があり[4]、2006年に広島県で繁殖例が報告されている[5]

形態

全長18.5センチメートル[3]。体重25-33g。肩から背・腰・尾羽基部上面を被う羽毛(上尾筒)は赤褐色[3]。下面は白い[3]

嘴は黒い[3]。後肢は灰黒色[3]

オスは頭部が青灰色で、嘴から眼を通り側頭部にかけて黒い筋模様(過眼線)が入る[3]。メスは頭部が灰褐色で、眼先が汚白色[3]

生態

低地から低山地にかけての明るい広葉樹林や、広葉樹と針葉樹の混交林に生息する[3]。ウスリー地方では川辺の低木林や、その低木林に接する森林の林縁に生息する[3]。群れは形成せず単独もしくはペアで生活する。

食物として雛に鱗翅目の幼虫・カナブン・カマキリ類・コオロギ類などの昆虫ニホンアマガエルニホンカナヘビなどを与えた報告例がある[5]。捕らえた獲物を枝等に突き刺すはやにえを行う。

繁殖様式は卵生。郊外の雑木林やゴルフ場の松林などで繁殖することもある[3]。高枝に営巣する傾向があり、木の枝や樹皮・細根・イネ科植物の茎などを組み合わせた皿状の巣を作る[3]。3 - 6個(主に5個)の卵を産む[3]。抱卵期間は15 - 16日[3]。雛は約14日で巣立ち、巣立ち後も幼鳥は約14日は親鳥の縄張り内で生活する[3]。アカモズとペアを形成し、種間雑種を形成することもある[3]

人間との関係

日本では分布が局地的で、元々生息数が少なかったと考えられている[3]。1978年の調査で確認された場所では、1998年の調査ではほとんど確認されなくなっている[3]。例として東京都や埼玉県では宅地化により生息地が消滅した[3]。1997 - 2002年に繁殖が確認されたのは2メッシュで[5]、繁殖している可能性があるメッシュは1つのみであった[3]。近年は減少傾向にあり[6]、その要因として、樹林と草地が組み合わされた環境が減少もしくは悪化している可能性が考えられている[7]

絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト

関連項目

  • モズ属

脚注

  1. ^ BirdLife International. 2016. Lanius tigrinus. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T22704995A93994458. doi:10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T22704995A93994458.en, Downloaded on 07 February 2017.
  2. ^ a b c 日本鳥学会「チゴモズ」『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会(目録編集委員会)編、日本鳥学会、2012年、247頁
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 高木昌興 「チゴモズ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-2 鳥類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社ぎょうせい、2014年、68-69頁。
  4. ^ 高野伸二『日本の野鳥』山と渓谷社、1985年
  5. ^ a b c 渡辺健三・渡辺喜美恵「広島県内におけるチゴモズの繁殖記録」『Strix』25巻、日本野鳥の会、2007年、151-167頁
  6. ^ 真木広造・大西敏一『日本の野鳥』平凡社、2000年
  7. ^ 植田睦之「全国的に減少しているモズたち」『BIRDER』、2005年10月号、32-37頁

参考文献

  • 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、41頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、87頁。
  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥III』、平凡社、1986年、153頁。




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